地域活性化に向け第三者承継
独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する中小企業・小規模事業者・創業予定者のためのポータルサイトJ-Net21は先ごろ、事業承継事例第9回を公開しました。
今回J-Net21が公開したのは、地域の交流拠点となっていた「有限会社みねおかいきいき館」(千葉県南房総市)が住民間で第三者承継に成功した事例です。

7人の共同出資で開設された「みねおかいきいき館」
「みねおかいきいき館」は1989年、展示施設「酪農のさと」を訪れる人たちの飲食・休憩施設として、地元の酪農家ら7人が50万円ずつ出資して開設した施設です。
同施設はその後、地場産品の販売や農業酪農体験の提供も行うようになり、体験コースでは年間5000人以上を受け入れていました。
しかし20年後の2019年、創業メンバーの高齢化により事業承継を検討。南房総市朝夷商工会と千葉県事業引継ぎ支援センターに相談した結果、地元の中堅経営者2人に経営権を譲渡することになりました。
譲渡にあたっては、創業メンバー5人が株式を売却し、残る2人分は引き続き株式を保有。一方、経営権を譲り受けた2人は合わせて250万円を出資し、建物などを無償で引き継ぎました。さらに新経営陣には本業の仕事もあるため、1年間は旧株主に協力してもらうことを条件にしたとのことです。
地域の中核施設を潰してはいけない
今回の事業承継では、創業メンバーから最初に相談を受け、新経営陣の1人ともなった南房総市大井区長・芳賀氏の「地域の中核施設を潰してはいけない」という思いが実った形となりました。
また新経営陣は同施設が防災拠点となりうるとも考えたといいます。実際、昨年千葉県を襲った台風15号の際には同施設の防災機能が証明されたということです。
(画像は写真ACより)
▼外部リンク
J-Net21 事業承継事例第9回
https://j-net21.smrj.go.jp/succession/20012201.html