清滝養鱒場を金谷ホテル株式会社に
中小機構の事業引継ぎポータルサイトは先ごろ、新たな事業引継ぎ支援事例を掲載しました。
今回は、栃木県の清滝養鱒場が、主要取引先である金谷ホテル株式会社に事業を引き継いだケースを掲載しています。

名産のマスを日光のために残したい
清滝養鱒場では社長の星野氏が後継者不在のまま60年間、栃木県名産のニジマスやヤシオマスを養殖し、日光ならではの味を提供してきました。
しかし、80歳を迎えて体調もすぐれなくなり、事業引継ぎを考え始めたとのことです。
一方、創業当時からニジマスソテーを提供していた金谷ホテルでは、地域にとっても大切な清滝養鱒場のマスを根絶やしにはできないと考えていました。
両者の地域への想いは一致し、栃木県事業引継ぎ支援センターの支援を受けながら事業引継ぎがスタートします。
養鱒場ならではの課題も
引継ぎにあたっては、生き物であるマスの事業価値の評価や、養鱒場の面積の特定と賃貸料の評価などの課題が浮上しました。
この課題は、栃木県事業引継ぎ支援センターが選定した専門家のサポートにより解決し、養鱒場とは賃貸借契約を結ぶ形で、事業引継ぎが完了したとのことです。
今回の事業引継ぎでは、引継ぎ完了から10日後に星野氏がこの世を去りました。しかし星野氏が育てたマスや「清滝養鱒場」の名前は守られました。また、「清滝養鱒場」の存続により、地域の産業もこれまで通り継続されることとなりました。
(画像は写真ACより)
▼外部リンク
事業引継ぎ支援事例 case.08
https://shoukei.smrj.go.jp/case/case08.html