破産による手続きと対策方法

黒字なのに倒産?会社経営の不思議・原因と対策を探る!

 

経営破綻する、会社が倒産すると聞けば以下のことをイメージするのではないでしょうか。

誰もが赤字に陥りやっていけなくなったのだろうか?

業績不振が続いたのかな?

 

 

しかし実際には、決算が赤字でも存続している会社がある一方で、黒字でも倒産してしまう会社が多くあります。

こうした業績上では黒字経営なのに倒産してしまうといったケースを、黒字倒産と呼びます。

 

なぜこうした矛盾すると思える事態が発生するのか?

どういったケースが黒字倒産に結びつき、それを避けるにはどうすれば良いのか?

原因と企業的特徴、黒字倒産しないための対策をまとめました。

知っておきたい経営の基本として、チェックしていきましょう。

 

黒字倒産とは何?なぜ起きる?

黒字倒産という言葉は初耳でも、倒産についてはおよそ理解されているでしょう。

まずこの倒産から、そもそもどういう状態なのか確認しておきましょう。

 

倒産というのは、手持ちの資金が尽きて事業が継続できなくなった状態、経営が行き詰まり新たな借入もできず弁済すべき債務が支払えなくなった状態を指しています。

実は倒産は正式な法律用語ではないため、普及した社会的意味合いで理解されている言葉です。

そのためやや指す意味に含みがあるのです。

 

では、黒字倒産はどうでしょうか。

これは決算の損益計算書においては、利益が出て黒字になっているにもかかわらず倒産してしまい経営が続けられなくなり事業活動がストップすることです。

赤字倒産とわざわざ表現しないのは、ビジネスとして利益が出ておらず赤字なのだから行き詰まって当然、

倒産は当たり前の流れと考えられるからでしょう。

 

しかし赤字か黒字かと、経営が行き詰まるかどうか、商取引ができるかできないかはイコールではありません。

黒字でも倒産のリスクは十分にあるのです。

帳簿上が黒字だからというだけで安心していると、気がついた時には倒産するしかない事態に陥っているかもしれません。

 

2018年の倒産企業における財務データ分析調査として東京商工リサーチが発表した資料によると、同年に倒産した企業のうち赤字の企業は52.27%、黒字の企業は47.73%でした。

 

倒産企業の黒字、赤字比率

参照:東京商工リサーチ

 

赤字と黒字の差は5ポイント未満で、大半と思われやすい赤字での倒産と黒字倒産は、拮抗した率で発生しているのです。

このように黒字倒産は決して稀なことではありません。

 

ではなぜ黒字となる利益を出しながら、倒産してしまうのでしょう。

ポイントは、倒産が実際の手持ち資金不足で起きることにあります。

会計帳簿上の記録ではなく、現場のお金の流れが問題なのです。

 

帳簿、つまり損益計算書では、期末日までの年間売上高や経費など費用をまとめ利益がどうなったかを求めます。

ここでは実際に流れるお金のタイムラグは勘案されていません

。もう少し具体的に説明しましょう。

卸売業者として、商品やサービスを販売したとします。一般にこうした売買の決済は1カ月~3カ月後となり、現金がすぐ入ってくるわけではありません。

 

損益計算書には記録される入金が、まだ現金として手元にない状態の期間というものが必ず存在し、

こうした期間に資金繰りが困難となって、仕入代金や設備投資の支払いが滞り、

銀行の融資を受けることもできなければ、資金ショートで倒産状態となってしまうのです。

 

その後、銀行取引の停止処分を受けたり、裁判所に破産手続きを申請したりすると倒産が確定します。

こうして黒字決算でも倒産する、黒字倒産が発生します。

 

黒字倒産しやすい会社の特徴は?

では、黒字倒産を起こしてしまう企業には、どういった特徴があるのでしょうか。

 

手形不渡りを起こしている企業

最も黒字倒産になりやすいケースは、すでに手形不渡りを起こしているようなケースです。

 

振出人となっている企業の資金残高が不足し、後払いを約束した相手に、手形の額面金額が支払われない状態となっているのが「不渡り」ですから、

すでに売買契約が正しく遂行されなくなっているといえます。

 

「不渡りを出した」ことがイコール倒産だと思われている方もありますが、そうではありません。

手形や小切手で不渡りになっても、倒産を回避することができる場合ももちろんありますが、

不渡りを起こした事実は、該当金融機関の手形交換所に対する報告をベースに、

不渡報告へ掲載して各種加盟銀行に直接通知する決まりとなっていることから大きく信用力を失うもととなります。

 

これにより、新規の融資を受けることがきわめて難しくなり、結果として事業継続が困難になって倒産にいたる場合が多いのです。

実際には1度目の不渡りでは当座預金による取引を継続させることができますし、

半年以内に2度目の不渡りを起こし、銀行取引の停止処分を受けても、即座に倒産するわけではありません。

 

しかし各種銀行は不渡りの情報を共同で用いており、そのデータは全国で共有され、どこの銀行を頼っても同じ対応をとられることになります。

このように、不渡りの発生は資金繰りの極度な悪化につながるため、黒字倒産した会社でしばしば見受けられています。

 

売掛金管理が難しい建設業は要注意

第2に黒字倒産が多い業種として建設業が挙げられることが多いのですが、その主因となっている仕組みの「売掛金」における管理不十分が指摘できます。

例えばA社がB社から500万円の材料を9月に仕入れ、10月に支払う契約になっていたとします。

 

仕入時は買掛金で仕入れ、後に支払う予定です。この状態でA社は1,000万円を9月中に売り上げました。

しかしこれは売掛金による売上、掛売上で、実際の入金は11月になるとしましょう。

 

すると、A社は500万円の利益を出していますが、他に取引がなかったとすると、9月、10月とも手元の現金は増えていません。

この状態で10月に500万円の支払いを行わねばなりませんから、手持ちの資金が500万円に足りなければ資金ショートを起こします。

こうして黒字倒産につながります。

 

建設業は、外注先への支払いは毎月払いとされるのが多いのに対し、工事期間が数カ月にわたるケースも少なくなく、

入金はさらにその工事が完了してから4カ月後となるなど、支払いと入金の時間差が大きい業種の代表格です。

動かす金額は大きいものの、その入金タイミングまでの間に、人件費・労務費を含め、支払いタイミングだけが繰り返しやって来ることが多いのです。

 

こうした売掛金、買掛金での取引が日常的で、かつ売掛金が多い会社や業種は、自然と黒字倒産のリスクが高くなります。

大きな取引を重ねていながら、入出金のタイムラグを踏まえた管理が不十分ならば、なお黒字倒産も起きやすいでしょう。

 

適切な財務管理が行われていない企業

第3は「どんぶり勘定」が目立つことです。古くからのワンマン経営で、経理の適正な管理がなされていない状態では、

黒字でも資金の管理・運用が上手くいかず、倒産してしまうことが多くなります。

 

日々の細かな部分までカバーした会計・経理、入出金のタイムラグを踏まえた丁寧で計画的な資金運用、

これらが徹底されていない会社、経営者の勘に頼っているような会社は、当然ながらリスクが高く、黒字倒産にもなりやすいのです。

 

先の建設業などでは、工事ごとに発生した請求金額が一度に全額入金とならないケースもしばしばです。

これは工事の査定残りや後に支払われる予定の保留金などで、きちんと管理されていればいずれ入金されて利益になりますから、問題ありません。

 

一方で、元請先からの産廃処理費や支給された材料の金額など、相殺扱いで差し引かれる金額内容をきちんと把握しておかないと、

自社経理の売掛回収金額といつまでも合わず、残高となって、受け取れない利益が算入されてしまうことがあります。

 

またクレームの発生などで、請求できない工事費が発生しているのに、その処理が行えていない場合なども同様です。

こうした売掛金の内容把握と適正な処理がなされず、おおよそのどんぶり勘定で進んでいては、資金繰りに行き詰まって黒字倒産ともなり得るでしょう。

 

アパレル業界など、商品販売として在庫が多くなりやすい業種も、在庫管理と運用計画がしっかりしていない経営では、倒産を起こしやすく、黒字倒産も珍しくありません。

売上高に対応する仕入在庫が原価で計上され、支払い分のキャッシュフローでは大きな赤字を出していても、

販売できた部分は費用計上されず、過剰な在庫を抱えたまま、損益計算書上は黒字になっていたというケースもあります。

 

 

手元現金資産や資本金が薄い企業

 

第4には、そもそも手持ちの現金資産、資本が豊かではないという特徴は否定できないところです。

赤字でも資金に余裕がある、担保になる資産があり銀行からの融資が受けやすい、

増資による資金調達が可能といった企業ならば、赤字でも倒産しにくく、黒字倒産にももちろんなりにくいといえます。

 

しかし上場している大企業のような、中小企業に比べ潤沢な資金がある場合にも、

先述の売掛金管理の不備やどんぶり勘定による無理な成長戦略などがみられれば、黒字倒産した事例が報告されています。

必ずしも資産の規模がポイントになるわけではないことに注意してください。

 

その他の特徴

この他の特徴として、業績が順調に伸びている会社成長期で、事業拡大のため設備投資など積極的な投資を急速に行っているケースや、

人材不足が深刻になっているケースなどが比較的多くみられるものとして挙げられます。

 

業績好調は良いことで、事業拡大を図る際に、設備投資や人材強化などから一時的に支出が収入を上回ってしまう、キャッシュフローが悪化することは当然あり得ます。

しかし、それが過度であったり、無知、無計画的であったりすると、黒字倒産に陥りかねません。

 

また、業績が安定している、黒字経営というだけでは、中小企業などの場合、新規求職者に対するアピール力が足りず、

採用ハードルが年々高まっている昨今では、人手不足から廃業に追い込まれる、結果黒字倒産にいたる例も増えています。

 

優秀な人材が確保できない、そもそも労働力が足りない、こうした点から事業が継続できなくなる会社も、黒字倒産にしばしばみられる特徴です。

基本的なところで、無知な経営者によるワンマン経営や腐敗した経営陣による運用がまかり通り、利益が出ているからと会社の資金を飲食費・接待費につぎ込みすぎていたり、

経費で必要以上に高額な品を購入するばかりしていたりと、明らかに破綻へつながるような行動があれば、

当然黒字倒産もすぐに起こり得ます。一部ですが、こうした会社もあるでしょう。

 

黒字倒産を回避するには?対策を知ろう

黒字倒産の流れやリスクの高い会社の特徴をみてきました。

これを踏まえ、黒字倒産を避けるにはどのような対策が考えられるでしょうか。

 

キャッシュフローを注視する

最大のポイントといえる第1の点は“キャッシュフロー”に注意することです。

赤字、黒字の損益も大切ですが、資金繰りに行き詰まれば、経営が続けられなくなります。

現場で実際に出ていくお金と入ってくるお金の流れを正確に把握し、現金の不足を発生させないこと、

一時的に不足することが予測されるなら、それに備えた策をあらかじめ講じておくこと、

これらの点はより重要であり、黒字倒産を避けるコツになります。

 

キャッシュフローを改善する具体的な方法ですが、まずは損益計算書だけでなく、資金繰り表、キャッシュフローの計算書を別途作成し、先を見据えた経営管理を徹底しましょう。

営業資金と売上、人件費、労務費の推移、設備・固定資産の購入または売却といった投資関連の状況、

借入と返済をまとめた財務状況確認のための賃借対照表など、ジャンルごとに整理して、売り掛け・買い掛けの取引などにも耐えられる流れを作ります。

 

管理ソフトを活用したり、可能ならば人件費や労務費にあたる部分など、入金サイクルを一部でも早めてもらったり、

支払期日に余裕をもたせてもらうといった調整を行ったりすることが有効です。

売上の拡大や経費削減ばかりに気を取られるのではなく、キャッシュフローにも注意すること、

悪化していれば早期改善を目指すことが、黒字倒産を避ける健全経営になると意識してください。

 

自己資本比率を20%以上に保とう

賃借対照表からは自己資本比率を算出することができます。

純資産と負債を足したもので、純資産を除してみてください。

この時、株主からの出資は純資産、借入は負債として扱います。

 

上場企業の場合、この自己資本比率は平均40~50%程度で、一般に目安として20%以下になるとかなり倒産の危機にあると考えられています。

この値を割り込まないよう、注意しましょう。

 

在庫管理を行う

在庫過剰にならないよう、その管理をきちんと日々行うことも大切です。

シンプルな対策ですが、大量仕入れの行き過ぎに注意しましょう。

 

金融機関との関係を築き資金を調達しやすい環境を整えておく

資金確保を進めておく、いざという時調達しやすい良好な環境を作っておくことも対策になります。

銀行や信用金庫、ベンチャーキャピタルなども活用し、手元の現金資本について、ある程度余裕があるレベルで確保しておけば、黒字倒産を避けられます。

 

金融機関とのやりとりで信頼関係を築き、信用力を高めておく努力も重要です。

そのためには安定した経営と適切な情報開示がベースになりますが、高い信用力があれば、いざという時に資金が調達しやすく、

資金繰りに行き詰まるリスクを大幅に下げられるでしょう。

 

突発的事態から大きな損害を被るリスクへの対策として、取引先、顧客の信用力に気を配ることが挙げられます。

相手方の倒産による貸し倒れで共倒れとなる危険もあります。

 

訪問時に状況をチェックするなど、リスクのある相手ではないか、確認を徹底してください。

とくに大口契約となる場合は、念入りなチェックが必要です。前金や着手金をもらっておくといった対策とともに、リスク管理を行いましょう。

 

まとめ

一般に四半期ごとで作成される損益計算書などだけでは、日々の経営における健全性を十分に測ることはできません。

一見、業績が優れているようでも、黒字倒産は起こり得るのです。

 

黒字倒産を防ぐには、とくに実際のお金の流れに注目した経営・運用管理、キャッシュフローの改善意識が重要となります。

手元の現金などキャッシュを基準に現状を正しく把握し、行き詰まらない経営を持続的に可能とする施策の策定や方針決定、経営判断をバランス良く行いましょう。

 

そうして収益性の安定した企業となれば、信用力も増し、金融機関や投資家からの支持も得やすくなります。

その結果、さらに倒産しにくい会社となれるのです。

業界の慣習や特性も踏まえ、自社に合ったキャッシュフローの良い経営を目指してください。

 

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