美容室・理容室業界におけるM&Aの現状と行うメリット・デメリットとは?

美容院・理容室業界の市場動向・M&A(会社合併・事業譲渡)市況の現状と行うメリット・デメリットとは?

業界別M&Aの動向

美容院・理容室業界の市場動向・M&A(会社合併・事業譲渡)市況の現状と行うメリット・デメリットとは?

 

美容室・理容室は個人経営が多く、事業承継できず、そのまま「廃業」となるケースが多く見受けられます。

そのような背景もあり、近年では美容室・理容室のM&Aが増えてきています。

 

事業承継だけではなく、出店拡大や異業種からの参入を計画している大手などが中心となり、M&Aを行っているようです。

 

そこでこの記事では、美容室・理容室業界におけるM&Aの現状と、M&Aを行うメリット・デメリットなどを紹介します。

 

美容室・理容室業界 M&A

美容室と理容室、それぞれの現状とM&Aとの関わりを見ていきましょう。

 

美容業界の現状

厚生労働省の「○美容業の実態と経営改善の方策(抄)」 によると、美容業界全体では、施設数は毎年若干数ではありますが、増加し続けています。

 

美容業の営業施設数推移

引用元:厚生労働省「美容業の営業施設数推移」

 

また美容師免許件数に関しては、平成17年をピークに平成24年まで年々減り続けていましたが、平成25年から徐々に増加傾向にあります。

 

美容室や美容師は、成り手が多いですが、1人か2人といったほぼ個人経営が多く、経営者の年齢層も50歳~59歳が26.1%、60歳~69歳が32.4%と半数以上を占めています。

高齢化の波は美容室業界にも押し寄せています。

 

また、後継者の有無についても全体で78.2%ですが、個人経営に絞ると82.5%もの方が「いない」と回答しています。

 

このような背景から、全体から見た美容業界の施設数は増えており、美容師免許数も近年では増加傾向にあります。

そのため、M&Aを行うことで、事業承継の問題や高齢化問題も解消する可能性があります。

 

理容業界の現状

理容室は、厚生労働省の「○美容業の実態と経営改善の方策(抄)」 によると、理容店と理容師に関しては、店舗数の減少と成り手の減少が顕著に見られます。

 

また美容室と同様に個人経営が多く、経営層の年齢が60歳~69歳が31.1%、70歳~79歳が27.4%と美容室より高齢の方が多いです。

 

後継者も全体で71.5%、個人経営に絞ると73.7%が「後継者がいない」と回答しています。

 

理容室数 理容師数
実数 指数 実数 指数
平成23年 131,687 94.0 240,017 95.3
平成24年 130,210 92.9 238,086 94.5
平成25年 128,127 91.4 234,044 92.9
平成26年 126,546 90.3 231,053 91.7
平成27年 124,584 88.9 227,429 90.3

 

また若年層のヘアスタイルの多様化とともに、1000円カットなどといった低価格でカットサービスを提供しているチェーン店の台頭により、客足が伸び悩み、経営難に陥っている理容室が多く見られます。

 

このような背景から理容室に関しては、理容室も理容師の成り手も減少傾向にあります。

 

優秀な人材確保を念頭においたM&Aを行うことができれば、地域の理容室を減らさず、事業継承など、その他の問題も解消するでしょう。

 

 

美容室・理容室業界 M&Aの動向

人材不足や美容室・理容室減少に伴い、競争が激しくなっていますが、ファンドへの売却事例が増えています。

ファンドとは、投資家たちから集めた資金を投資・運用することで、資金を増やし、投資家たちに還元することです。

 

あわせて個人事業でもM&Aで事業承継を行ったり、居ぬき物件として売却したり、経営そのものを委託する事例も増えてきています。

 

香港系投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズは美容室大手のAguグループ(東京・港、市瀬一浩社長)を約100億円で買収する。

積極的な出店で収益を拡大し、3~5年後の上場をめざす。

同グループは安価なサービスとインターネットを通じた集客に強みを持つ。

美容室市場は人口減少で長期的に縮小する見込みだが、独自戦略で成長余地は高いと判断した。

 

引用元:日経新聞「投資ファンドのCLSA、美容室大手Agu買収へ」

 

居ぬき物件とは、同業者がその店舗を買い取ることで、設備投資などの必要がほぼなく、比較的低コストで、商売を開始できるのが強みです。

 

たとえば、ラーメン屋が倒産した場合、その後にまた別のラーメン屋が商売を始めるというイメージです。

あわせて経営そのものを委託することを運営委託と言います。

 

これは第三者に経営・管理・運営のすべてを委託することを指します。

第三者が店舗を所有するわけではなく、場所だけを貸すということです。

 

委託している側は、賃貸マンションの1室を第三者に貸して、賃貸収入だけを得ているとイメージしやすいでしょう。

 

美容室・理容室業界 M&Aのメリット

譲渡する側と受け入れる側、双方のメリットを見てみましょう。

 

譲渡する側のメリット

 

  • 経営の負担がなくなるので、美容・理容のことだけに集中できる。
  • 事業承継問題を解決できる。
  • 大手グループの子会社になった場合、知名度とブランド力があるため、集客力が強化できる。
  • 雇用を維持できる。
  • 創業者は買収益を得ることで、早期リタイアをすることができる。
  • 経営不振だった部門を売却することで、自社の中核事業に専念できる。

 

受け入れる側のメリット

 

  • 異業種からの参入でも有資格者やノウハウを短期間で獲得できる。
  • 事業地域を拡大できる。
  • 新規参入でも低コストで、新規店舗を開店できる。
  • 自社の弱い部門を強化できる。

 

美容室・理容室業界 M&Aのデメリット

譲渡する側と受け入れる側、双方のデメリットを見てみましょう。

 

譲渡する側のデメリット

 

  • 美容・理容業界は競争が激しいため、譲渡する側の明確なメリットを受け入れる側に提示できなければ、譲渡時の価格が下がる可能性がある。
  • 既存従業員と経営側で価値観の違いから衝突が発生し、離職者が現れる。
  • 技術レベルに差が生じる。
  • 雇用条件(給料が安くなるなど)が変更される。

 

受け入れる側のデメリット

 

  • 美容室・理容室は、個人経営が多く、美容師・理容師個人に顧客が付きやすく、店がある周辺地域と密接な関係性を築いているため、美容師・理容師が変わることで、固定客が来なくなるなど、客数が減少し、客単価に影響を及ぼす可能性がある。
  • 増えた店舗分のコストが増加する。
  • 既存従業員が退職する可能性があるため、大量のリクルートが必要になる可能性がある。
  • シナジー効果を期待して買収したが、想定したシナジー効果が発揮されない。
  • 想定した利益が出せず、既存従業員、新規従業員のモチベーションを保つことが困難になる。

 

まとめ

美容室・理容室業界におけるM&Aの状況、メリット・デメリットなどを紹介しました。

昨今は、美容室の数は年々増加しています。

 

あわせて1978年から旧厚生省が打ち出した美容室で、「カットのみはNG」「理容室でパーマはしてはいけない」という法令が2015年に廃止されました。

 

美容室と理容室とで区別がなくなりましたので、美容師の需要も増えそうですが、美容師の離職率が非常に高いのが問題として挙げられています。

 

いくらM&Aを実行しても、労働環境改善や新人美容師の待遇改善に努めなければ、結果として美容師の減少に歯止めがかけられず、無意味なM&Aになりかねません。

結果として従業員がいなければ、経営も成り立たないでしょう。

 

美容室・理容室業界のM&Aは、労働環境と美容師の待遇改善を念頭に、譲渡する側、受け入れる側の双方が綿密な話し合いを進めることが、将来的な成功のカギになるのではないでしょうか。

 

 

関連:業界別のM&Aの現状と今後の動向を紹介

 

 

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