介護業界におけるM&Aの現状・動向は?今後の見通しなども含め解説。

介護業界におけるM&Aの現状・動向は?今後の見通しなども含め解説。

業界別M&Aの動向

介護業界におけるM&Aの現状と動向!過去にはどんな案件(株式譲渡・事業譲渡)があったのか?今後の見通しなども含め解説。

M&Aは近年盛んに行われており、業界問わず、M&A市場規模は今後も拡大を続ける見通しとなっています。

M&Aは企業の合併や買収を指しますが、介護業界におけるM&Aはどうでしょうか。

 

あまり動向を知らないという方も少なくないかもしれません。

今回は、介護業界における市場動向を見渡しながら、介護業界におけるM&Aの動向や今後の見通しについて解説します。

 

この記事を参考に、M&Aの方針を見出していただければ幸いです。

 

介護業界の市場動向とは-市場規模は確実に大きくなっていく-

まずは介護業界全体の市場動向や特徴について、簡単にご紹介します。

 

介護業界というのは、高齢者・障害者をはじめとする日常生活に支障がある人に対して、日常生活が送れるように、さまざまな支援やサービスを提供する事業全般を構成する業界を指します。

 

厚生労働省によると、75歳以上の後期高齢者は2025年までに2,179万人に達し、日本の全人口の5人に1人が後期高齢者という、

いわゆる「超高齢化社会」を迎えることとなります。

 

こうした超高齢化社会の真っ只中にある日本で、介護の需要は、年を追うごとに拡大の一途を辿っています。

2005年あたりを境に驚異的なペースで介護の需要は伸び続けており、大きな成長が見込める業界の筆頭として知られているほど介護業界は成長が期待されている業界です。

 

しかし、その需要に対してサービスの供給が追いついていない厳しい現実があり、大きな問題となっているのも事実です。

 

介護業界の抱える課題や現状

国内介護業界におけるM&Aに関する最新の動向について見ていく前に、ここでは介護業界が抱える課題などの現状について解説します。

 

驚異的に増えるニーズに対する、圧倒的な人手不足

介護業界は、今後の需要は非常に増加することが推測できる業種です。

なぜなら、日本は年を経るごとに、異常ともいえるレベルで社会の高齢化が進むからです。

 

高齢者が増えれば、それだけ介護のニーズは高まります。

実際に、要介護認定者は2000年から2016年の間におよそ3倍に膨れ上がり、10年後には2000年の4倍以上に達すると見込まれています。

 

以上のように需要が大きいことから、そのぶん労働人口も拡大していくべき業種ですが、介護業界では、圧倒的な人手不足が今もなお深刻な問題となっているのが現状です。

 

介護業は求人が非常に多い業種で、新たな需要に対する供給分だけ求人が増える分にはよいのですが、実際には離職率も高い(全国平均を上回る離職率のある)業種であることから、労働人口そのものがなかなか増えていきません。

 

慢性的な人材不足で非正規職員に頼らざるを得ない

厚生労働省発表の「介護人材確保対策」によれば、介護職員のなんとおよそ40%が非正規職員という事態になっています。

ホームヘルパーに限っていえば、正規職員は僅か20%しかおらず、7割以上が非正規職員です。

 

また、訪問介護員の場合には、60歳代以上の職員がおよそ4割に迫る勢いで、高齢者が高齢者を介護しているという事態になっているといいます。

さらに、女性が多い業界であるというのも特徴的です。

 

施設介護のおよそ74%が女性職員であり、訪問介護に至ってはおよそ90%が女性です。

 

現在の介護業界におけるM&A動向

それでは、現在の介護業界におけるM&Aはどういう動向があるのかを見ていきましょう。

 

異業種からのM&Aが多い

近年、介護業界の拡大を見据えた新規事業参入が増えていますが、特に「異業種からの新規参入」が増えているという特徴があります。

 

異業種から新規参入する狙いとしては、保険会社など親和性の高い企業からの参入の場合には、日々の生活や暮らしにおける補償から介護に至るまでの、より包括的な事業拡大を目指す意図が見込まれます。

 

例えば、綜合警備保障(ALSOK)や損保ジャパンでお馴染みのSOMPOホールディングスなど、他業界との統合が相次いでいます。

 

綜合警備保障(ALSOK)は訪問医療マッサージのケアプラス(東京・港)を29日に買収すると発表した。投資ファンドなどから、全株式を取得する。買収額は約20億円。傘下に収めることで、ALSOKは高齢者向けサービスを強化する。

 

引用元:日経新聞「ALSOK、訪問医療マッサージ会社買収」

 

SOMPOホールディングス(HD)は27日、傘下の介護事業4社を合併すると発表した。7月1日付で存続会社となるSOMPOケアメッセージ(東京・品川)が他3社を吸収合併する。一体運営を効率的に進められる体制を築き、介護事業全体でサービスの質向上につなげる。

 

引用元:日経新聞「SOMPOHD、介護事業4社を合併」

 

 

 

また、保険会社の場合では、もともと自社で持っている広域ネットワークや経営資源を介護事業に投入することによって、介護サービスの質の向上を図る意図もあります。

そのほかにも「飲食」「不動産」などの業界も、積極的に介護業界への参入を表明している企業が増えています。

 

高齢の介護対象者が受ける介護保険給付金が、2025年には2015年のおよそ2倍となる21兆円にも達するとされています。

介護業界は右肩上がりの成長が期待できることがわかるというのが、そうした新規参入企業の狙いであると考えられます。

 

介護ということでデリケートな問題はさまざまなものを抱えることにはなるものの、投入される資金が大きいということは、それだけの成長が期待できると考えられるでしょう。

 

より合理的な介護ノウハウ獲得を視野に入れたM&Aが多い

異業種からの新規参入の場合、企業にはノウハウがありません。

しかし、M&Aを行うことで既存の介護事業を担う企業を獲得することで、業界において経験してきた豊かなノウハウをそのまま獲得できます。

 

たとえば、ソニーフィナンシャルホールディングスの子会社ソニーライフケア株式会社が、株式会社ゆうあいホールディングスを完全子会社化したのが、顕著な例です。

 

ソニー・ライフケア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:出井 学、以下、「SLC」)は、「は なことば」ブランドで介護付有料老人ホーム等を運営する会社を傘下に持つ株式会社ゆうあいホールディ ングス(神奈川県横浜市、代表取締役社長:薗田 宏、以下、「YHD」)よりかねて引き受けた転換社債型 新株予約権付社債(総額 20 億円)の新株予約権を行使するとともに発行済の全株式を取得し、YHDを完 全子会社といたしました。これにより、YHDは SLC グループの一員となりましたので、お知らせいたします。

引用元:ソニーライフケア

 

ソニーグループでは生命保険や損害保険などの保険業、また金融業も成長しています。

 

こうした保険業や金融業で得た広域に及ぶ豊かな資金とネットワークを軸に事業を拡大しつつ、ゆうあいホールディングスの吸収によって、介護に関するノウハウを得る時間ごと獲得できます。

そして、より効率的な介護事業進出を図っているのです。

 

介護業界におけるM&A動向の今後の見通し

それでは、介護業界におけるM&Aの展望はどうなるのでしょうか。

以下に詳しく解説します。

 

異業種企業が絡むM&Aは今後も増えると見られる

特に介護業界では、今後もM&Aが増えていくと見込まれています。

M&A市場全体としても、今後M&Aは拡大の一途を辿ると見込まれていることもありますし、特に中小企業を中心に、M&Aはかなり身近な存在になるであろうと推測されています。

 

この大きな要因としては、超高齢化社会による労働人口の減少が招く人手不足や、中小企業の後継者不足の解消策として政府がM&Aを推奨しているということがあります。

特に他の業界と比べても圧倒的な人手不足が騒がれている介護業界では、それが顕著であるといえます。

 

実際にM&A市場規模は右肩上がりになっていますし、介護業界の市場規模も拡大を続けています。

介護業界内でのM&Aも、今後人手不足の解消や事業拡大を意図して行われる可能性がありますが、今後は特に、異業種からの新規参入目的のM&Aが多数を占めるでしょう。

 

既存の強みを活かしたM&Aで介護業界をより良く出来る可能性も

これまでにも飲食大手の小僧寿しチェーンが介護食をはじめとする介護事業への参入をM&Aにより実現しました。

また、不動産大手の野村不動産も、介護付き有料老人ホームに関する業務提携など、高齢者住宅事業への参入を表明しています。

 

それ以外にも、冠婚葬祭事業を展開する企業や、人材派遣会社、医療事務教育機関などのさまざまな企業が、それぞれの企業が持つ強みを活かして、介護事業に参入しています。

拡大が確実とみられる事業には、是が非でも参入したいと考えるのがビジネスというものです。

 

また、将来誰しもが介護を受ける可能性があり、潜在需要が非常に大きいこともあります。

より多くの企業が参入することで介護サービスの質が高まることは、ビジネス上の成果を超えて、何よりも世の中のためにもなるでししょう。

 

まとめ

国内介護業界におけるM&Aについて、近年の業界の市場の現状や課題を見渡しつつ、今後の介護業界でのM&A動向の見通しも含めて解説しました。

介護は確実に市場が大きくなります。

 

むしろ、大きくならないといけない市場ともいえるでしょう。

しかし、需要に対して供給が不十分なままでは、介護の現場の人手不足やストレスによる離職率の高さなどはなかなか解消されないともいえます。

 

介護職員の負担を減らすAIなどの最先端技術の導入も視野に入れて、さまざまな企業が介護に対して積極的に働きかけていくことが、よりよい介護サービスを生むことにもつながっていくはずです。

ビジネス的な価値があるだけでなく、それは広く世の中のためになり、やがては自分たちのためにもなる、そう考えて、相互利益の見込めるM&Aが増えていくことが望まれています。

 

関連:業界別のM&Aの現状と今後の動向を紹介

 

 

 

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