経営承継円滑化法とは?中小企業の維持・継続を支える政策をわかりやすく解説!

経営承継円滑化法は中小企業の事業承継円滑化のための総合支援策として平成20年に成立しました。

正式な名称は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」です。

 

経営承継円滑化法は3本柱でなりたっています。

 

  • 事業承継税制
  • 遺留分の民法特例
  • 金融支援

 

経営承継円滑化法の三本柱

参照:中小企業庁

 

当サイト「事業承継プロフェッショナル」では経営承継円滑化法の各要素について詳しく解説しています。

 

第1の柱:事業承継税制

事業承継税制は経営承継円滑化法の中で最も重要な部分となります。

親族から事業承継をうけた場合に贈与税や相続税が頭を悩ませることとなります。

 

事業承継税制では都道府県記事の認定を受けると、贈与税・相続税の納税が猶予又は免除される制度です。

平成30年度の税制改正によって特例承継計画を提出することで猶予並びに免除となる範囲が拡充されました。

 

現行処置
事前の計画策定等 5年以内の特例承継計画の提出
(2018年4月1日~2023年3月31日)
適用期限 10年以内の相続等・贈与
(2018年1月1日~2027年12月31日)
対象株数 全株式
(ただし、議決権に制限のない株式に限る)
納税猶予割合 100%
後継者の数 3人以内
雇用確保要件 原則として、承継後5年間平均8割の雇用維持が必要だが、要件を満たさなかった理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出し、その確認を受けることで、引き続き納税が猶予される
事業の継続が困難な事由が生じた場合の免除 譲渡対価の額等に基づき再計算した猶予税額を納付し、従前の猶予税額との差額を免除
相続時精算課税の適用 60歳以上の贈与者から20歳以上の者への贈与

 

以下のコンテンツでは下記点について詳しくお伝えしています。

 

  • 結局改正前と比べて、どれほど適用範囲が広くなったのか?
  • 適用となる会社の要件
  • 事業承継税制を受けるメリットとデメリット

 

事業継承にかかる相続税等の税金とは?事業継承税制の中身を知り、大きな節税を実現させましょう

→ 事業承継税制とは?特例措置の内容と適用要件をわかりやすく解説。

→ 事業承継税制の一般措置と特例措置の違いとは?特例承継計画表等の特例措置適用手続きも含めてわかりやすく解説。

 

第2の柱:遺留分問題の対策としての「民法の特例」

中小企業の経営者は殆どの資産を会社資産として保有している場合が多いです。

そのため、後継者へと相続をすると他の被相続人から遺留分減殺請求権を行使されるおそれがあります。

 

遺留分相殺請求を図解

 

遺留分とは法定相続分のうち一定の割合で、遺言があったとしても相続人として受け取ることを主張することが可能な金額のことです。

遺留分減殺請求権を行使されることで主に二つの問題が発生します。

 

一つは生前に後継者に譲渡した株式が後継者の努力で価値が増加した場合です。

後継者としては経営努力で会社の価値を増加させるインセンティブが低下します。

また、そもそも一定割合の株式を保有されてしまうと後継者以外の親族が経営に対して発言権を持ってしまうのも厄介な点です。

 

そのため、民法の特例ではそもそも株式分については承継する側が生存中に合意の上で全部放棄させることや相続分を固定することができます。

 

遺留分の関する民法特例

参照:中小企業庁

 

 

二つ目は株式以外の部分です。

上記の図でも不動産部分は後継者以外の相続人も遺留分請求権を行使することができます。

 

すると会社の資産であるはずの不動産を経営上の観点で売却したり開発する際に共有財産だと許可が必要となります。

共有財産となってしまうと会社としての柔軟な判断を下せなくなります。

そこで民法の特例では後継者以外の相続人が金融債券として請求することが可能となりました。

 

 

改正相続法による遺留分の取り扱い

 

以下のコンテンツでは下記の点をお伝えしています。

 

  • そもそも遺留分とは?
  • 遺留分の計算方法とは?
  • 遺留分減殺請求権とは?
  • 遺留分減殺請求権の対策としての「民法の特例」とは?

 

→ 【遺留分減殺請求権とは?】改正法を含めてわかりやすく解説!「民法の特例」を用いて対策しよう。

 

 

第3の柱:金融支援サービス

事業承継にあたっては以下の資金が必要となります。

 

  • 後継者が資産を買い取るための資金
  • 後継者が納税を行うための資金
  • 親族外の事業承継をする場合に株式を親族から買い占めるための資金
  • 経営者の交代による信用悪化で借り入れ条件が悪化したことによる補填

 

資金に余裕があれば問題はありませんが、資金に余裕がない場合に金融支援サービスを受けることができます。

金融支援サービスでは事業承継に関して必要な資金に対して低利子での融資や保証枠の拡大を行うサービスです。

 

政策投資銀行で資金を借りれば金利は1%未満で融資を受けることができます。

資金が必要な事業承継期には非常に嬉しい支援ですね。

 

以下のコンテンツでは下記の点をお伝えしています。

 

  • 事業承継において必要な資金
  • 金融支援サービスの詳細な内容
  • 金融支援サービスを受ける手続き

 

→ 経営承継円滑化法における金融支援とは?事業承継を助ける融資・保証制度をわかりやすく解説する。

 

 

まとめ

経営承継円滑化法は中小企業の事業承継を円滑に実現するために整えられた法律です。

知っているか知らないかで大きな差が生じる重要な法律です。

 

これから親族に事業承継を行う予定の経営者の方も、後継者の方もしっかりと理解して事業承継における争いを極力無くしておきましょう!

 

経営承継円滑化法

事業承継税制の一般措置と特例措置の違いとは?特例承継計画表等の特例措置適用手続きも含めてわかりやすく解説。

2020/4/12  

事業承継における税負担のネックを解消へ事業を承継する場合、後継者が株式を承継することによって相続税、または贈与税が発生しますが、これらの税負担は重くなりやすく、事業承継のネックとなっていました。

事業承継における税負担を軽くするため「事業承継税制…

経営承継円滑化法における金融支援とは?事業承継を助ける融資・保証制度をわかりやすく解説。

経営承継円滑化法

経営承継円滑化法における金融支援とは?事業承継を助ける融資・保証制度をわかりやすく解説。

2020/4/12  

経営承継円滑化法は文字通り事業承継を円滑にするために総合的な支援策として成立した法案です。 経営承継円滑化法は「事業承継税制」「民法の特例」「金融支援」の三本柱で構成されています。   最も ...

【遺留分減殺請求権とは?】改正法を含めてわかりやすく解説。「民法の特例」を用いて対策しよう。

経営承継円滑化法

【遺留分減殺請求権とは?】改正法を含めてわかりやすく解説。「民法の特例」を用いて対策しよう。

2020/4/12  

現経営者が親族に事業を承継したとします。 例えば息子に事業を承継したとしても、妻や他の子供がいた場合は遺留分の問題がでてきます。   確かに自分の兄が殆どの財産を相続して、自分には殆ど入らな ...

事業承継税制とは?適用要件やメリットとデメリットも含めわかりやすく解説。

経営承継円滑化法

事業承継税制とは?適用要件やメリットとデメリットも含めわかりやすく解説。

2020/4/12  

多くの中小企業経営者の頭を悩ませているのが、事業承継時の税金問題です。 しかし、事業承継税制をうまく活用することで、贈与税・相続税の猶予を受けることができます。 この記事では、事業承継税制の適用を受け ...

Copyright© 事業承継プロフェッショナル , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.