コングロマリット型M&Aとは?過去の事例やメリット・デメリットを紹介。

コングロマリット型M&Aとは?過去の事例やメリット・デメリットを紹介。

M&A用語

ソニー・GE・楽天に代表される「コングロマリット型M&A」とは?買収元と買収先双方のメリット・デメリットと過去の事例を紹介。

 

コングロマリットには「集団の」「複合企業の」といった意味が含まれております。

これをベースにした「コングロマリット型M&A」という言葉も存在しています。

 

そこで今回は、コングロマリット型M&Aとは具体的にどのようなM&A手法なのかを紹介し、これまでに行われた事例と併せて解説していきます。

 

コングロマリット型M&Aの基本

一般的にM&Aといえば、競合する同業他社を買収して成長の足掛かりにするというイメージがあります。

しかし、コングロマリット型M&Aは全く性質が異なるM&Aです。

 

コングロマリット型M&Aでは、他業種、または他業種を含む事業を実施している企業を買収し、経営を多角化させるM&A手法になります。

 

買収元の本業とは無関係な事業を営む企業とのM&Aを成立させた場合は、これをコングロマリット型として扱って問題ありません。

 

この手法を用いた買収は、資金力のある大企業が中心となって動かしています。

しかし、近年では中小企業同士のM&Aも目立ち始めています。

 

後継者不足を起因としたM&Aが盛んに行われるようになった昨今、生き残りを賭けて多角化に乗り出し、大企業に対抗しようと考える中小企業が増加していくことも考えられます。

 

コングロマリット型M&Aのメリット

この形でM&Aを行った場合、買収元と買収先双方の企業はどのようなメリットを受けることになるのでしょうか。

考えられる3つのメリットを紹介し、その効果について解説していきます。

 

リスクを分散した経営に切り替えられる

インターネットの急速な普及によるテクノロジーの刷新で、数十年前までは一般的だったビジネスモデルが通用しなくなっているのが現代社会です。

 

今はまだ致命的なダメージを受けていなかったとしても、将来的に革新的な技術が登場し、会社の柱となっている事業が倒れてしまう可能性は、否定できません。

 

単体の事業のみでこの時代に立ち向かっていては、いつ会社にとって存続の危機が訪れるかわかりません。

しかし、コングロマリット型M&Aを実施すればリスクを分散させられます。

 

一つの事業を継続させることが困難になったとしても、買収先の事業を新しい柱に据えて、安定した経営を実現させることが大きなメリットです。

 

相乗効果に期待することができる

従来の事業とは全く異なる事業をM&Aによって取り入れることにより、買収先の企業が持つ固有のノウハウを吸収することができます。

 

また、これまでに双方が持っていた顧客の回遊効果を生み出すことも可能です。

企業そのものにつくファンを獲得しやすいというメリットに繋げることもできるでしょう。

 

ゼロから新しい分野を開拓するためには、莫大な資金と時間が求められることになります。

そして、それらのデメリットを省けることがコングロマリット型M&Aの良さです。

 

相手企業が持つテクノロジーのみならず、従業員が持つ経験や技術力そのものを吸い上げられるという点が、大きな魅力になっているのです。

 

事業再編にも向いている

コングロマリット型M&Aで買収できる事業は独立性が高い場合が多く、買収後にグループ企業として独立させるケースが目立っています。

 

これを機に事業再編を目指すことも容易になり、円滑な意思疎通を行うことによって、取り引きの機会損失のリスクを軽減させることが可能です。

 

スムーズな事業再編を実現させることは業務の効率化に大きく関与することにもなりますから、相乗効果の一環になることもポイントになります。

 

コングロマリット型M&Aのデメリット

コングロマリット型M&Aを実行することによるメリットは多岐に亘りますが、同時にデメリットして考えなければならない問題も存在します。

マイナス面として考慮しなければならないのはどういった要素なのかについても、事前に知っておきましょう。

 

企業としての価値が低下するリスク

経営を多角化させることにより、投資家から見た評価の軸を失ってしまう可能性が高まり、それまで企業が強みとして持っていた要素が目減りするリスクがあります。

M&Aによって見据えていた相乗効果を発揮できなかった場合には、連動性という面での評価も下がり、株価に影響が及ぶ可能性も否定できません。

 

結果として企業の価値が低下してしまう可能性があり、狙い通りの資金調達を市場から行うことが難しくなってしまうこともあります。

 

関連記事:企業価値評価とは?評価額の算出方法とバリュエーションを高めるメリットを徹底解説。

 

グループ間で連携が取りにくくなる可能性がある

全く異なるジャンルの事業を営む会社を買収した場合、グループ企業間で相互の事業に対する理解が進まず、連携が取りにくくなる可能性も考えなくてはなりません。

 

こういった形でコミュニケーション不足が露呈してしまうと、相乗効果に期待することが難しくなってしまい、企業価値を低下させる結果にも繋がってしまいます。

 

また、グループ企業間で労働条件などに格差が生まれている場合には、不信感や不満に直結する恐れがあることも認識しておかなければならないでしょう。

 

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グループの統治や撤退の判断が複雑化する

買収する企業が手掛けている事業について、現経営陣が専門知識を持っていない場合、グループ企業の指導や管理を健全に行えない可能性があります。

これによって技術や品質、モチベーションの低下を招き、最悪の場合には不正行為に気づけなくなってしまう危険性についても認識しておくべきでしょう。

 

さらにいえば、不採算部門が現れた場合、これまでとは違いグループ企業が複雑に絡み合ってしまいます。

撤退すべきか否かの判断が複雑化することもデメリットです。

 

コングロマリット型M&Aで巨大化した企業の事例

実際にコングロマリット型M&Aを採用して巨大化した企業を事例として紹介していきます。

日本を代表する企業も含まれているため、上手にM&Aを実行することによる有益性を認識することができるはずです。

 

ソニー

家電製品を主軸として取り扱う企業として国内最大手の一つであるソニーは、日本国内におけるコングロマリットの代表格といえる存在です。

プレイステーションシリーズを始めとするハードウェアを筆頭に、映画や音楽のほか、金融、保険、不動産、出版、教育といった事業も手掛けています。

 

現在は最盛期と比較すると規模を縮小させていますが、過去には小売業や化粧品、飲食店、旅行業などを運営していたことでも有名です。

 

直近では、「ピーターラビット」のアニメを保有する米番組制作会社を買収したことが話題になりました。

 

ソニーが映像や音楽などコンテンツ事業を強化している。

このほど「ピーターラビット」のアニメを保有する米番組制作会社を200億円で買収したと発表。

2018年4月に吉田憲一郎社長が就任して以来、映画・音楽関連のM&A(合併・買収)総額は4000億円規模になった。スマートフォン向けの半導体センサー事業をテコに復活したソニーは、コンテンツに新たな照準を合わせつつある。

 

引用元:日経新聞「ソニー、コンテンツも攻め 映像音楽でM&A4000億円」

 

楽天

積極的にコングロマリット型M&Aを仕掛け、約20年という短期間で巨大化した企業としては楽天の存在が挙げられます。

創業時はECモールを中心としたサービスを展開していましたが、現在はクレジットカード会社としても国内最大の利用者数を誇る企業として成長を遂げました。

 

銀行業や証券、携帯電話事業者、各種保険、そしてスポーツチームの運営に至るまで、多種多様な形で多角的な経営を行っている代表的な存在です。

 

楽天という会社にはM&A(合併・買収)の遺伝子が埋め込まれている。

社長の三木谷浩史(47)は日本興業銀行時代、米ハーバード大で経営学修士(MBA)を取得した後、企業金融開発本部でM&Aを担当し、孫正義(55)率いるソフトバンクの米見本市コムデックス買収などを担当した。

楽天を創業した後もマイトリップ・ネット(現楽天トラベル)、DLJディレクトSFG証券(現楽天証券)などの買収で業容を拡大。

国際展開も米ネット通販のバイ・ドット・コム、カナダの電子書籍販売会社コボなどを買収することで加速してきた。

 

引用元:日経新聞「「売ってくれるんですか」楽天M&Aの遺伝子(ルポ迫真スペシャル)」

 

GE

国外にまで目を向けると、アメリカで電気事業を手掛けているGEは、世界的に見ても巨大なコングロマリットとしてその名が知れ渡っています。

GEが手掛けている事業は幅広く、航空機エンジンから医療機器、鉄道機器、鉱山機械、家庭用電気製品、そして原子炉にまで及ぶほどです。

 

しかし、現在はコングロマリットと距離を取る政策へと転換しており、多数の事業を売却する見通しであると伝えられるなど、今後の動向に注目が集まっています。

 

まとめ

コングロマリット型M&Aは、会社の本業とは無関係な業種の企業を買収し、経営を多角化させることを目的に行われるM&Aです。

国内ではソニーや楽天、国外ではGEといった企業がコングロマリットによって成長した事例として有名です。

 

関連: M&Aで頻出の用語をわかりやすく解説!企業買収の理解を深めよう。

 

 

 

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