廃業が起こる理由とその費用

国内企業の大量廃業危機?その主な理由と対策を解説する。

時代が大きな変革の時を迎えつつある今、国内では廃業、解散する企業が急増しています。

とくに日本企業全体の99.7%と圧倒的多数を占めています。

 

中小企業の数

参照:中小企業

 

国内経済と社会インフラ、世界からも優れた評価を得る技術レベルの高さといった豊かな生活の縁の下の力持ちとなって支えている中小企業における事態はきわめて深刻になっているといわれます。

今、国内企業に何が起きているのか、会社にとって最も避けたいはずの廃業がなぜ多発しているのか?

その理由と対策、廃業以外の選択肢について解説します。

 

そもそも廃業とは?どのくらい起きている?

廃業とは、経営者や個人事業主が何らかの理由により、自らその経営や事業をやめて終了させることをいいます。

株式会社の場合であれば、株主総会で解散を決議して全ての企業活動を停止させ、保有資産の整理や債権の回収・弁済など清算手続きを済ませて、会社そのものの存在を消滅させるものとなります。

 

一時的に経営が悪化して事業が立ちゆかなくなっていたり、休業したりしているのとは違い、経営を再開させる可能性も、資産・ノウハウを活かす方策も全て捨て、

登記上などでも正式に会社の消滅を認めてもらう手続きを終え、解散した状態にするのが廃業です。

 

では、近年どのくらいの企業が廃業しているのでしょうか。東京商工リサーチの発表によると、2018年に全国で休廃業・解散した企業は46,724件にのぼり、前年より14.2%も増加していました。

一方、経営が破綻して資金繰りが悪化、不渡り手形を出すなどし、経営が継続できなくなって倒産した企業は8,235件、前年比2.0%の減少と、10年連続で減ってきています。

 

この調査の場合は、事業譲渡に伴う休廃業、休業も含まれているため、まったく事業活動が承継されなかった廃業のケースだけではありません。

しかし、倒産企業の5倍超にもあたる数の会社が1年間で休廃業・解散しており、技術の継承やイノベーションの機会が多く絶たれている可能性が高いと考えられ、今後が懸念される現状がうかがわれます。

休廃業・解散した企業と倒産企業の合計は年間54,959件にのぼり、これは全企業の約1.53%にもなっているのです。

 

廃業を決める理由とは?

なぜ廃業が増えているのでしょう。

2014年版の中小企業白書データとして中小企業庁から発表された資料をみると、

具体的な廃業理由でトップとなったのが「経営者の高齢化、健康(体力・気力)の問題」で、実に全体の48.3%を占めていました。

 

東京商工リサーチが休廃業・解散企業の代表者年齢別分析を行った結果でも、

2018年は70代が最多の37.53%、次いで60代の32.95%、80代以上の14.64%となっており、比較的若い40代以下は全体の6%程度にとどまっています。

 

年齢別の休廃業・解散数

参照:東京商工リサーチ

 

ここからみても、経営者が高齢化し、時間的・体力的に限界がきていること、

その経営者から事業を継ぐ後継者も不足していることが、増える廃業の主な原因と考えられるでしょう。

関連:企業を存続させたいが後継者がいない!取るべき対策方法は?

 

経営者の高齢化や健康問題に次いで多い廃業理由は以下となっていました。

「事業の先行きに対する不安」:12.5%
「主要な販売先との取引終了」:7.8%
「経営者の家族問題(介護、高齢化、教育)」

これまでの事業スタイルでは時代のニーズに合わなくなり、変化していく社会状況に対応するだけの余力がなかったり、

取引先が休廃業や事業の縮小・改変を行ったことにより、連鎖するかたちで廃業を決断したりするケースも多いようです。

 

 

また同じく中小企業庁が行った2016年11月のアンケートで、廃業を予定している企業にその理由を問うた結果では、複数回答で「業績が厳しい」が37.3%でトップになったものの、

2位には「後継者を確保できない」が33.3%で入り、

3位は「もともと自分の代限りでやめるつもりだった」と「会社に将来性がない」が30.7%の同率になっていました。

 

廃業を考えている理由

参照:中小企業庁

 

 

事業承継を考える時期に来ているにもかかわらず、適当な後継者が見つけられないことも大きな問題になっていることが分かります。

後継者の不在や、親族に承継して意味があると思えるだけの将来性や資金的余裕、業績の明るさがないといった問題を抱えたまま、

自身の体力には限界が来つつある、承継準備をするだけの時間的余裕もないと考える経営者が増えているのでしょう。

 

 

しかし「業績が厳しい」という声がある中、実際には2014年版の「中小企業白書」で廃業した企業のうち約50%は黒字であったことも報告されています。

関連:黒字なのに倒産?会社経営の不思議・原因と対策を探る!

 

黒字廃業の比率

参照:中小企業庁

 

そして廃業に際し相談した相手は誰かという問いでは、「家族・親族」が48.1%と最も多かったものの、2位は「誰にも相談していない」の28.7%になり、

専門的知識をもつビジネスパートナーなどに相談できない孤独な経営者像があわせて浮き彫りとなりました。

 

経営者が一定の年齢以上となった中小企業などでは、適切な事業承継へのサポートやアドバイスが受けられず、

本当は存続可能かつその意義が十二分にある会社ながら、自分の代でたたむと決め込んでしまうケースが多いと考えられます。

 

これに対し、全体に対する割合は少ないものの、若年・中年層が経営者の廃業ケースでは、また理由や事情が異なっています。

国内の開業率は昨今、緩やかな上昇傾向で推移し、最新の2018年データで5.6%となっていますが、1年後の生存率は約7割で、残る3割は開業翌年には廃業してしまっている実態があります。

 

その後、3年、5年と経過するにつれ、残る会社に占める生存率は高くなっていき、ビジネスが安定していっていることがうかがわれます。

結果的に開業間もなくの廃業が多くなることになります。

十分な事業計画が練られていなかった起業経験がなく安易な運用が早期の破綻を招いたといった基本的な点でのつまずきが主な理由になっているとみられます。

 

会社存続させるために可能な手段とは?

このような理由・背景から廃業する会社が増加しています。

一企業の廃業は従業員や取引先をはじめ多くの関係者に深刻な影響を与えてしまうことはもちろん、日本社会にも大きな損失になります。

さらに手続きも複雑で、かかる手間と費用は馬鹿になりません。なんとか方策を探り、存続を選択したいところです。

 

そうはいっても経営は続けられない、どんな方法をとっても存続が難しいのは分かっていることだと思われるかもしれません。

しかし、廃業を回避する方法は想像以上に多く、ケースにあわせて選択すれば、存続できる可能性は十分にあります。

以下、主な方法をご紹介しますので参考にしてみてください。

 

休業を選択する

まず廃業ではなく、休業を選択する方法があります。会社を消滅させるのではなく、再開の可能性を残して休眠会社とするのです。

休眠会社とは、登記されているものの、長期間にわたり実際の経営が行われていない会社のことをいいます。

手続きはシンプルで、基本は税務署、都道府県税事務所、市役所に「異動届出書」を提出するだけです。

この異動届出書は国税庁のホームページからダウンロードできます。

 

この書類の「異動事項等」を記載する欄に「休業」と、異動年月日に休業とした日付を、それぞれ記せばOKです。

これで休眠会社とでき、解散登記費用や清算人選任登記費用など、廃業にかかる10万円前後の費用を節約できます。

 

会社を取り巻く状況や自身の健康状態、親族の意識などが変わり、事業を再開させることになった場合も、一から開業手続きを再度行う必要がなく、

異動届出書や役員変更登記、会社継続登記といった届出手続きを済ませれば、そこからすぐ会社経営をリスタートさせることが可能です。

休眠中の納税義務や任期終了に伴う役員変更登記手続きの必要性、確定申告など、いくつか必要な作業は残ります。

ただ、ごくわずかでも再開の可能性があるならば、廃業を避け休眠会社とするのがお勧めです。

 

会社や事業の将来性、先行きに不安を感じたという理由は、経営者の高齢化問題に次いで多くなっていました。

人々の購買行動がリアル店舗からオンラインショッピングへ、かなりの割合で移行したこと機械化の波など、確かに時代の変化に対応することが難しく、

業種そのものの将来性すら危ういと思われるケースもあると考えられます。

 

また開業間もなくの廃業では、事業計画の不備や見積もりの甘さ、経営スキルの不足が大きな問題とみられました。

これらの場合、事業を継続してもビジネスとして成り立たないと思われたことが共通したポイントです。

ただ、逆にいえばその経営上の問題を見直せば、生き残れる資産やアイデアを有している可能性も大きくあります。

経営コンサルタントなどプロの力を借りれば、存続の道が開けるかもしれません。まずは専門家に相談すると良いでしょう。

 

事業承継を行う

経営者が退く場合の事業承継方法で最初に考えられるのは、後継者への承継、とくに中小企業などの場合、娘や息子に継がせる親族承継が思いつきやすいところですね。

これが可能であれば、融資を行う金融機関や取引先、従業員などにも比較的受け入れられやすく、経営者自身も安心できるところが大きいでしょう。

関連:親族内の跡継ぎや従業員へに事業承継の手続きと注意点についてわかりやすく解説!

 

ただしスムーズに成功させるためには、継ぐことになる子どもとよく意思疎通を行い、周囲にも知らせて早いうちから準備を進めることが重要です。

従業員など、親族以外から後継者を選定・指名するより、自然に早期から承継を見据えた準備に着手しやすいでしょうから、

社内システムや業界ルール、自社の方針、営業方法など経営者に必要な知見を深めさせておけば、経営者に何かあった時にも柔軟に対応でき、安定した事業継続ができるというメリットもあります。

 

しかし準備に時間がかかることを考えておかなければいけません。

子どもなど継ぐ親族側の意識が、まったくそのつもりがない、または逆に、当然継げるものと思っている、いずれの場合も存続危機に陥る可能性が高まってしまいます。

 

前者の場合は、子どもが「継がない」と表明した時点で後継者がいなくなるわけですから、すぐに困ってしまうと想像されます。

後者の場合、経営者自身がまだ自分がトップという意識であるうちに、後継者となる子どもの側から動き出してトラブルになったり、

その他の親族や近しい従業員、役員も後継を意識していて分裂騒動が起こったりする可能性があるほか、

十分に事業内容や経営方針、スキルを身につけないまま自己流でスタートし、すぐに行き詰まってしまうといったリスクがあります。

 

さらに親族承継の場合、後継者と、それ以外の相続人との間で遺産をめぐるトラブルが生じないよう、相続争いを防ぐ工夫も重要になります。

育成や周囲への発表、遺言、生前贈与、株式移転の準備など、早めに取りかかることが何より大切です。これができる余裕があれば、親族承継にも大きなメリットが見込めるでしょう。

 

従業員や外部のプロなど、適任者を見つけて後継者に据え、承継する場合も入念な準備に時間をかける必要があります。

経営者が適任と考えていても、社内や取引先には受け入れにくい決定かもしれません。

借入などで個人保証をしていれば、その負債の引き継ぎも行わねばならず、後継者側にも意識と覚悟形成に時間が必要です。早めに準備に取りかかりましょう。

関連:会社の借金を肩代わり?中小企業の社長の「個人保証」を回避する方法を解説。

 

経営者が見込んだ人物に承継できれば、信頼できる有能な人材に後を任せられ、大きな安心感を得られます。

 

難易度は高いが上場する

もしこうした親族以外の後継者探しに苦心しており、一定以上の規模があるならば、承継を考え始めたタイミングで会社を上場する方法もあります。

上場すれば、外部を含めた幅広い人材から後継者を探しやすくなり、会社体制も整います。

経営者の個人保証や個人資産の担保提出なども不要になるため、後継トップの負担が軽くなることや、信用力アップによる経営そのものの改善、企業成長も見込めます。

上場を視野に入れられる状況ならば、ぜひ検討してみてください。

 

現実的な手法として会社売却がある

事業承継のかたちとしてM&Aを選択する方法もあります。

M&Aは企業の買収、吸収・合併を意味し、身売りのようなマイナスイメージがあるかもしれません。

しかし、経営を個人ではなく法人に引き継ぐスタイルにした合理的手法としてとれるもので、廃業よりメリットのある選択肢と考えられます。

関連:事業承継における会社売却の魅力を解説!後継者がいない場合は第三者への承継を検討しよう。
関連:M&Aとは?4つの種類と手続き・費用といった基礎的な事項をわかりやすく解説。

 

事業承継を目的としたM&Aの場合、株式譲渡により事業そのものを譲渡、別の会社にまるごと購入してもらうことで、その企業に今後の事業を任せることとなります。

これまで紹介した親族承継や従業員、外部人材への承継では、時間も手間も多く必要でした。

M&Aの場合、購入を希望する会社が見つかり、条件面さえ合意できれば、すぐに事業承継を完了させられます。

 

売却先の経営者に事業を引き継いでもらうことで、従業員の雇用を守ったり、取引先との関係を維持・発展させていったりすることも容易になります。

また、自ら育ててきたノウハウや技術が無駄にならず、社会に役立つものとしてさらに発展していく様をみられるのは元経営者にとっても嬉しいことです。

 

もちろん株式譲渡でまとまった資産が手に入るのもメリットでしょう。

売却先を丁寧に選定し、社内外へきちんと周知すること、慎重な合意形成に努めることができれば、

M&Aの手法は、後継者問題に悩む多くの企業にとって、賢く廃業を回避する手段になり得るでしょう。

 

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まとめ

廃業は経営者のみならず、従業員や関係取引先、ひいては日本社会全体に大きな損失をもたらすものです。

早期にそれを回避する事業承継を考える必要があります。

 

後継者不足などから廃業が増加している今日の状況は、この問題が深刻な社会問題、経済問題になりつつあることを示しています。

存続させる方法はいくつもあり、どのかたちが正解というものでもありません。

同じ手法でも、それぞれの会社ごとにベストな適用方法があるでしょう。ぜひ体力面など、経営者に余裕のある段階から検討を開始してください。

日本の中小企業の廃業問題とは?発生する理由や必要な費用を含めてわかりやすく解説!

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