パックマンディフェンスとは?認められる事例や手法に迫る。

パックマンディフェンスとは?認められる事例や手法に迫る。

M&A用語

買収防衛策として有効な「パックマンディフェンス」とは?認められる事例や手法に迫る。

 

経営陣の刷新を迫るような不都合な買収劇を防ぐための防衛策は多々あります。

特に攻撃的なスタイルで会社を守る手法として「パックマンディフェンス」というものがあります。

このユニークな名称の防衛策にはどのような効果が秘められているでしょうか。

 

買収防衛策には色々な手法がありますが、今回はこのパックマンディフェンスについて、メリットやデメリット、過去に起きた事例について紹介していきます。

 

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パックマンディフェンスの基本

「パックマン」とは、1980年代に世界中で記録的なヒットを飛ばしたゲームのことです。

パックマンは敵に触れると負けてしまいます。

 

しかし、パワークッキーを食べると逆に敵を食べることができるのです。

 

そこから転じて、「敵対的買収」を仕掛けてきた会社の株式を自社でも取得し、議決権を確保してディフェンスするという防衛策を意味するようになりました。

 

関連記事:デサント・伊藤忠で話題になった「敵対的買収」とは?合意なき買収を防ぐ防衛策の必要性と事例を交えて数々の手法(新株予約権、ホワイトナイトなど)をご紹介。

 

具体的には、会社が発行する株式の25%以上を取得すると議決権を確保でき、敵対的買収そのものを無効にさせることができます。

 

会社の経営権取得には、最低でも50%以上の株式が必要ですが、議決権の確保ならその半数程度の保有率で済むため、金銭的な面では敵対的買収者よりも有利です。

 

買収を目論む企業の株式を自ら取得して反撃に出ることから、パックマンディフェンスは、逆買収とも呼ばれ、最も攻撃的な買収防衛策として知られています。

 

敵対的買収者の集中力を削ぐことができる

パックマンディフェンスを発動させることにより、25%以上の株式を取得すれば、敵対的買収者を目論む会社の思惑は外れることになります。

 

また、これを実行する側としては株式の25%の取得が目的になりますが、相手側としてはどこまで株式を買い増すつもりなのか分かりません。

 

これにより、買収を仕掛けた側であるはずの会社が、反対に買収への対応に追われる立場になり、当初の目的を達成するための集中力を削ぐことができます。

 

敵対的買収者が取得を目指す半数の株式取得で買収を防止できる

敵対的買収者が狙っているのは経営権の奪取ですから、株式の過半数以上、すなわち50%以上の取得をターゲットに買収を仕掛けてきます。

 

一方でパックマンディフェンスを達成するために必要な株は全体の25%となるため、敵対的買収者が取得を目指す株式の半数の取得で買収を食い止めることが可能です。

 

もちろん、株価などの企業価値に応じて必要な資金には格差が生じる可能性がありますが、仮に資産価値が同等であると考えれば、金銭面で優位に立つことができます。

 

株式の取得にかける時間も、単純計算すれば敵対的買収者の半分で済むことになりますから、効率良く敵対的買収を阻止できる可能性があることもメリットです。

 

将来的な敵対的買収の抑止力や、泥沼化の回避にも繋げられる

発動後に敵対的買収を食い止めるための効力を発揮するパックマンディフェンスですが、抑止力としての効果にも期待できるという点もメリットです。

 

この手法はかなり強固な買収防衛策として相手方にも意思が伝わるため、買収に失敗した場合、それ以降は二度と手出しをしてこなくなる可能性が高まります。

 

また、「ホワイトナイト」等の手法で対抗した場合、買い付け価格の釣り上がりなどで泥沼化する恐れがありますが、この手法ならそういった問題を避けることも可能です。

即座に反撃ができ、なおかつ必要となる資金も計算した上で実行できる買収防衛策ですので、スムーズに買収を防止できる確率が高くなります。

 

また、買収されそうになっている立場の会社が自力で立て直す手法になるため、第三者の力を借りずに、これまで通りの経営を維持することもできます。

 

パックマンディフェンスの注意点とデメリット

メリットばかりに感じられるパックマンディフェンスですが、いざ実行に移るとデメリットも見えてきます。

注意を払う必要があります。

 

買収防衛策としてこの手法を取り入れた場合、どういったデメリットが考えられるのかを詳しく紹介し、無効化されてしまうシチュエーションについても取り上げていきます。

 

買い付けに必要な資金が無ければ発動できない

買収を実行することと比較すれば低予算で済むことがパックマンディフェンスのメリットですが、それでも25%以上の株式取得には大金が必要です。

 

敵対的買収を仕掛けてきた会社の資産価値が高いという場合には、株式を集めるための資金が足りず、そもそも発動させることが不可能になります。

 

用意周到な企業を相手に回した場合、財務状況などのバランスも事前に考慮し、反撃できないと判断してから買収に乗り出してくる可能性も否定できません。

 

この手法によって会社を守りたいと理想を掲げていたとしても、現実問題として発動させられずに、別の手段を用いなければならないという状況に置かれる可能性があります。

 

買収を防いだ後に株式を保有していても意味が無い

仮にパックマンディフェンスが成功し、相手の会社の株式を25%以上保有して、議決権を掌握できたとしましょう。

買収を防げましたので、この時点では確かに防衛策は成功と判断できますが、その後は大量に株式を保有していたとしても全く意味がありません。

 

そもそも買収を拒むほどの関係性の企業なのですから、自社にとって相手方の株式を保有していてもメリットなど無く、投じた資金が意味をなさなくなってしまいます。

 

かと言って取得した株式を売却すれば、再び敵対的買収を仕掛けられた際に再度パックマンディフェンスを発動させる手間が必要になるという問題も生じます。

 

このような問題を伴うことは、既存株主も深く認識していますから、やがて大量に株式を保有していることに対しての反対運動や反発が起こるリスクをはらんでいるのです。

相手の会社の業績が悪化した場合には経営責任を問われることにもなり、将来的に大きなリスクやデメリットをしこりとして残す防衛策とも言えます。

 

相手が非上場企業の場合には対処が不可能

パックマンディフェンスは、相手の会社の株式を購入して議決権を取得して自社を守る手法ですから、敵対的買収者が上場企業であることを前提としています。

仮に株式を上場していない会社からの買収が進められた場合、相手の株式を取得したり、保有したりすることができないため、ロジックが通用しなくなってしまうのです。

 

非上場企業が買収に乗り出してくる可能性はゼロとは言えませんから、こういったリスクにも一定の警戒をしておかなければなりません。

 

過去に行われたパックマンディフェンスの事例

日本国内に関しては、敵対的買収の実数そのものが乏しいこともあって、パックマンディフェンスが過去に行われた事例を確認することができません。

実施されない理由としては、デメリットで取り上げた点が大きな足枷になり、そもそも資金が足りなければ対応できないという問題が第一関門である、と考えられます。

 

議決権の取得後に株式をどう扱うのかなど、難しい対応に迫られる問題も多く、一般的には敬遠されることも多い買収防衛策と言えるのです。

 

世界的に見ても具体的な事例は認められない

世界的に見てもパックマンディフェンスは珍しく、1980年代にアメリカで行われたという説は残るものの、事例の詳細を確認することは不可能です。

少なくとも近年ではパックマンディフェンスが実行された記録が残っておらず、今後も発動する可能性は限りなく低い買収防衛策だと考えられます。

 

まとめ

パックマンディフェンスは、敵対的買収者の株式を自ら購入し、議決権を掌握して買収を無効化させるという攻撃的な買収防衛策です。

しかしその裏にはさまざまなデメリットが見え隠れするため、国内外においてその事例を見つけることはほとんどできません。

 

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