M&Aときくと「金の猛者」であるハゲタカファンドが敵対的な買収をするというイメージを持ってる方は多いのではないでしょうか?
しかし、ハゲタカファンドというのは本当に一部のファンドである、大抵のファンドは友好的に買収を行います。
本日は友好的な買収を行い企業の価値を買収後に上昇することを目指すPEファンドの実態についてお伝えしていきたいと思います。
当記事を読んでいただきファンドに対して抱いている悪印象を払拭していただければと思います。
目次
PEファンドとは?
PEファンドは正式名称はPrivate Equity Fundです。
Private Equityとは非上場株式のことです。
皆さんが普段証券会社経由で売買している株式は上場株式です。
しかし、日本に存在する企業の99.7%は非上場企業となっています・
PEファンドは非上場株式を投資対象としています。
PEファンドはリターンが高いため近年注目度が高まってきておりPEファンドへの資金流入額は年々増加しています。
日銀が特集を組んでまとめている時点で注目が集まっていることが読み取れます。
日本でも大手保険会社の日本生命がPEファンドへの投資を実行する方針と報道されて注目を浴びました。
日本生命保険は今年度、未公開株(PE)ファンドやヘッジファンドなど、海外の代替資産(オルタナティブ)に前年度並みの約2000億円投資する方針だ。2016年のマイナス金利政策導入以降、同投資を積極化。分散投資を進めて債券・株式市場からの影響を受けにくくするとともに、低金利の運用環境の下で収益の下支えを狙う。
参照:Bloomberg
さらに日本だけでなく、海外で年率20%近いリターンをお出しているハーバード大学の年金基金もPEファンドに大きなポーションの投資を実行しています。
ご覧いただいたようにPEファンドは投資の世界では急速に市民権を得てきています。
でも、結局ハゲタカファンドのことではないのか?
と不安な方も多いとおもいますのでPEファンドの種類についてお伝えしていきます。
PEファンドの種類-バイアウトファンドとは?-
一言にPEファンドと一言にいっても様々な種類が存在します。
様々なファンドの形態がありますが、主にバイアウトファンドとベンチャーキャピタルで構成されています。
バイアウトファンドとベンチャー全体の7割〜8割をしめています。
それではそれぞれについて見ていきましょう。
バイアウトファンドとは?
PEファンドの半分以上の形態をしめるのがバイアウトファンドです。
バイアウトファンドは非上場企業を買収して、買収後に企業価値を上昇させた後に売却をすることで利益を得ます。
つまり、買収した後に企業の収益力を高める施策を実行するファンドということです。
戦略コンサル出身のような経営のプロが在籍して、現状の問題を改善して企業の価値自体を上昇させていきます。
また、当然企業に在籍している従業員の力を借りなければいけませんので基本的に従業員は継続的に雇用します。
更に、希望があれば現経営者が続投するというケースもあります。
敵対的に買収してしまっては今後の発展を望むことが出来ないので、お互いの話し合いの末に双方にメリットのある形で買収が実施されます。
コラム:ハゲタカファンドとは?
ドラマ「ハゲタカ」によってハゲタカファンドが一躍有名になりました。
ハゲタカファンドは経営状態が著しく悪化し破綻状態に陥っている企業の株式を買収して経営権を握り経営再建を行い再建するファンドのことです。
倒産間近の安い株を購入して事業再生を行い株価が急回復したところで売却するので高い利益を得ることができます。
バイアウトファンドとの違いは二点あります。
一点目はバイアウトファンドは非上場企業に投資対象を限定していますが、ハゲタカファンドは上場企業も投資対象です。
実際に東芝株の買収も行なっていますからね。
東芝においては6000億円分の増資に対してハゲタカファンドが応じています。
二点目はバイアウトファンドは基本的に友好的な買収ですがハゲタカファンドは敵対的な買収になることもあるという点です。
非上場企業に投資をするバイアウトファンドでは、そもそも大株主である経営者の同意がなければ買収することができません。
更に買収後も経営者や従業員の力を借りることもあるので敵対的に買収することは必ずしも得策ではないのです。
しかし、ハゲタカファンドであれば上場企業の株を買い占めて経営権を奪取することもあります。
そのため、現経営者からすると敵対的な買収と捉えられがちになってしまいます。
ベンチャーキャピタルとは?
ベンチャーキャピタルは新興企業で上場を目指している企業に投資をします。
投資した企業がめでたく上場を実現したら大きな上場益を獲得することができます。
成功すれば大きな利益を獲得できる反面、道半ばで倒産する企業も多く存在します。
そのため、リスクが大きいの多くの企業に分散投資をするのが一般的です。
ベンチャーキャピタルでは現経営者を信頼して投資を行うため経営は基本的に現経営陣にまかせます。
ベンチャーキャピタルの出資比率はそこまで高くないので買収というよりは資金の出資という側面が強くなります。
あくまで優秀な経営者と有望な事業にお金を投じるという側面が強いのがベンチャーキャピタルです。
バイアウト型PEファンドで事業継承を行うという選択肢
現在、2025年までに127万社が経営者の高齢化と後継者不足で廃業の危機に陥っています。
中小企業全体の3分の1が廃業した場合の日本の損失は計り知れません。
→ 大廃業時代とは?中小企業の後継者不足問題の深刻さと有効な対策。
事業承継というと親族への承継や現在の役員への承継だけだと考えている方も多いです。
しかし、親族に承継させる場合は相続の問題や、そもそもの後継者の意思の問題が重要になってきます。
→ 事業承継における会社売却の魅力を解説!後継者がいない場合は第三者への承継を検討しよう。
後継者が主体的な覚悟を持って経営者にならなければ事業継承後に失敗してしまいます。
後継者が乗り気ではない場合、廃業を考えている経営者の方も多いと思います。
しかし、廃業するには各種手続きが発生しますし、廃業費用も嵩んでしまいます。
→ 会社の経営を終えて廃業することに。やむを得ない事情で会社の廃業を迫られる場合も?廃業のメリット・デメリットは?
そして何より手塩にかけたご自身の事業が潰えてしまうのは忸怩たるおもいに苛まれることかと思います。
そのような方におすすめなのが会社を売却するという方法です。
事業会社が今まで貴方が運営されてきた会社を欲しいと言って合併することもありますし、
友好的なバイアウトファンドが会社を買収するということも十分にありえます。
実際、事業承継に関するM&Aは判明している分だけで以下の通り右肩あがりに増加してきています。
大切に育てた会社を廃業するのではなく、バイアウトファンドに売却して更に社会的な価値の高い会社に昇華できたら嬉しいですよね。
積極的に検討してみるのがよいかと思います。
有力なバイアウトファンドがバックに控えている会社即売.comについては以下で詳しくお伝えしています。
友好的な買収を行うことで定評がありますので事業売却を考えたい方は無料で一度相談してみるとよいでしょう。
→ 事業承継の悩みを抱える中小企業の強い味方「会社即売.com」の魅力を徹底解説。
まとめ
ファンドときくとドラマやニュースの影響で「怖い」と身構えてしまう方もいらっしゃると思います。
しかし、バイアウトファンドのように友好的に話し合いのすえM&Aを行い企業価値向上につとめるファンドが大半を占めています。
ファンドだからというだけでアレルギー反応を示さずに、一度選択肢として検討して話し合ってみるとよいでしょう。
特に手数料が発生することもないので視野が広がるという意味でもおすすめの選択肢です。