会社経営者である親の死亡により資産を相続する際の注意点とは?相続放棄という選択肢についても解説。

会社経営者である親の死亡により資産を相続する際の注意点とは?相続放棄という選択肢についても解説。

事業承継の基礎知識

会社経営者である親の死亡により資産を相続する際の注意点とは?相続放棄という選択肢についても解説。

会社を経営していた親(被相続人)が亡くなった場合、その子や親族などの相続人は、そのまま会社を相続できるのでしょうか。

そして会社に負債があった場合、それを理由に相続を放棄することはできるのでしょうか。

さまざまなケースがありますが、ここでは「相続」という点から見た会社の親族内承継について、そして相続放棄について解説していきます。

 

会社の種類によって相続できるものが違う

会社には大きく「株式会社」「有限会社」「個人事業」の3種類があり、そのいずれかによって相続が変わってきます。

株式会社と有限会社は「法人」と呼ばれるように法律上の人格があります。

 

つまり会社社長が亡くなったとしても、会社は法人として生きており、相続人が会社関連で相続できるのは被相続人が所有していた「株式」になります。

つまり会社名義の所有になっているもの、例えば社屋やお金、備品などは、相続財産にならないのです。

 

法的には会社には相続という概念はなく*1、代表取締役(社長)*2と地位は「会社から経営を委任されている」という「委任契約」です。

そしてその権利(契約)は「死亡」によって解除されてしまいます。

個人事業主の場合は、事業用の財産も含めたすべての個人財産が、相続の対象となります*3

 

経営者である親の資産を相続した場合、会社に対して行う3つの選択

相続人は資産を相続する場合、被相続人が経営していた会社に対しては次の3の選択肢があります。

 

会社を継いで自分が代表取締役になる

中小企業の場合では、会社の株式のすべて、あるいは大部分を代表取締役が持っているケースが多く、

相続人が株式を承継すれば、代表取締役を決めたり、自らなったりすることができます(株主総会の議決は多数決ですので、株を多く持っている者が好きな人を代表取締役に選べます)。

 

小さな会社であれば、他の株主はせいぜい親族であることが多いので、相続人は問題なく自分を代表取締役に選べるでしょう。

ただし相続人は、プラスだけでなく連帯保証などのマイナスになりうる財産も相続しなければなりません(後述)。

もちろん会社が順調で返済能力があれば、連帯保証を求められることもないでしょう。

 

会社経営には関わらない

会社は他の相続人や取締役などが経営し、自分は株式を譲渡する。

たとえば生前に相続人が会社に関わらないことが分かっていれば、遺言で事業利用の財産や株式を会社自体に帰属させると定めることもできます。

 

会社の解散と清算を行う

一代限りで会社を終わらす場合です。ただしそのままでは法律上、会社は存続しているので法務局への申請が必要です。

関連: 会社の破産とは?必要な手続きと費用から経営者まで徹底解説
関連:会社をたたむのは大変?廃業の手続きを業界毎にわかりやすく解説!

 

相続する前に要確認! 会社に借金はある? 保証人と連帯保証人の違いとは?

もし被相続人(親など)が経営していた会社に借金があれば、その分も同時に相続の対象になります*4*5

たとえば、被相続人が会社の連帯保証人*6になっている場合です。

→ 会社の借金を肩代わり!?中小企業の社長の個人保証を逃れる方法を含めて解説。

 

中小企業では、連帯保証人は経営者個人やその家族となっていることが多いのです。

借り入れを会社が返済していれば問題はないのですが、もし返済できない場合はその借金も連帯保証人が返済することになります。

 

ここで用語の定義を確認しておきましょう。

「主債務者」は借り入れ名義の当事者。ここでは法人である会社がこれに当たります。

「保証人」と「連帯保証人」は似たような名称ですが、かなり相違があります。

主債務者である会社が返済できなくなった場合に、代わりに返済する義務がある点では同じですが、以下の3点に相違があるので注意ください。

 

1 保証人は債権者の請求に対し、まずは主債務者の方に請求するよう主張できるが、連帯保証人はその主張ができない(催告の抗弁権)。

2 保証人は主債務者に資力があることを証明すれば、債権者の請求を拒否することができるが、連帯保証人はそれができない(検索の抗弁権)。

3 保証人や連帯保証人が複数いる場合、保証人は頭数で割った金額のみ返済すればいいが、連帯保証人は全額まで返済しなければならない義務がある。

 

つまり金額が1000万円で保証人が5人なら、一人当たり200万円以上の返済義務はありませんが、

連帯保証人の場合は残る債務全額(この例では1000万円)まで返済しなければならないのです。

 

以上のように、保証人に比べて連帯保証人の方が責任は重いのです。

そして連帯保証人には限度額は定められていません。

そのため、会社の負債が連帯保証人の支払い能力を超えると自己破産につながることがあり、社会問題となっています。

 

[参考]2020年の民法改正

2020年に民法改正が施行されます。そこでは保証についていくつかの変更点があります。

1 個人が連帯保証人になる場合、「極度額」(保証人が支払う金額の上限)を定める。

2 個人が事業用の融資の保証人になる場合、公証人による保証意思の確認手続が必要。

3 連帯保証人になってもらう際に主債務者(本稿の場合は会社)は、財産や収支の状況、債務の金額や履行状況などの情報を提供しなければならない。

現行法では保証金額の上限が明記されていなかったため、多くの自己破産を生んでいましたが、改正によりそれに歯止めが効くようになるでしょう。

 

関連:事業承継の個人保証とは?2020年の民法改正を前に知っておくべきこと。

 

会社を相続放棄する

もし会社に借金の返済能力がなく、連帯保証人として返済する金額が個人資産の価値を上回り、結果的に相続がマイナスになるのであれば、

相続人は家庭裁判所を通じて「相続放棄」の申し立てをするのも方法です。

 

相続放棄が認められれば、被相続人の連帯保証人の立場は相続されないので、借金を負うこともなくなるからです。

ただし相続を放棄すると、自宅や土地、預貯金などの他の財産もすべて相続できなくなります。

 

この相続放棄ができるのは、相続発生を知った時から3カ月以内です。

また、相続放棄を行う前に自宅や預貯金の名義変更などを行ってしまうと、自ら相続を認めたことになるので、相続放棄はできなくなります。

ですので生前から会社の経営状況や資金の借り入れ状況、また被相続人が連帯保証人になっているかを知っておくことが重要です。

相続放棄をした後、よくよく調べたらマイナスよりもプラスが大きかったということが分かっても、撤回はできないので慎重に行いましょう。

 

相続放棄に際しての注意点とは

相続放棄は意思表示だけではダメです*7。たとえば親族や兄弟間など口頭で相続放棄しても、法律上の手続きを踏まないと債権者には通じません。

もし借金があった場合、「プラス分を相続していないのにマイナス分だけ相続する」といったことも、法的には生じてしまいます。

 

また、借金がある場合の相続放棄は自分一人がすればいいというものではありません。

相続を放棄すると、相続は次の順位の相続人に行くからです。

 

株式を相続する場合の注意点とは?売渡し請求行使による相続クーデターに気をつけよう。
→ 生前贈与によって株式譲渡を受けて承継する時の手順と注意点とは!?

 

法定相続人の順位は決まっており、配偶者、子供や孫、祖父母、兄弟や甥や姪といった順序になります。

つまり自分の相続放棄によって相続人順位が繰り上がるので、該当者全員が相続放棄をしないと借金は移動していくだけ。

 

最後の誰も相続をしない段階になって、財産は放棄されたものとして債権者たちで分けることになるのです。

そのため自分が相続放棄をする場合は、きちんと下の順位の相続人たちに伝えましょう。

ちなみに各相続人が相続放棄できる期限も、自分が相続人になった日ではなく自分が相続人になったことを知った日から3カ月以内です。

 

相続放棄しても連帯保証人?

相続人がそもそも被相続人の連帯保証人になっていた場合は、相続放棄しても連帯保証人のままです。

これは相続人自らの契約ですので相続事項には入りません。

 

経営者の配偶者が連帯保証人になっている場合などですよね。

もし返済ができなければ、自己破産など別な手続きに進むことになります。

 

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まとめ

今回は事業承継の親族内承継を「相続」という部分から見てみました。中小企業では多くの場合、親から事業を受け継ぎます。

今回は会社関連で相続により受け継ぐものと受け継がないもの、会社を主債務者とする連帯保証人に親(この場合は会社経営者)がなっていた場合について述べました。

親の会社の負債を抱えてしまい、苦しくなることがあります。その場合は、相続放棄というのも一つの方法です。

 

関連:事業承継とは?知られざる種類から進め方までわかりやすく解説する!

 

*1 「会社経営者が亡くなった場合の相続手続き」中野相続手続きセンター

*2 法的には、社長ではなく「代表取締役」という言葉を使います

*3「社長である父や夫が亡くなったとき家族が必ず理解しておくべき相続の要点」シルク司法所事務所

*4「社長(経営者)の相続対策が重要!死んだら会社・家族が揉める?」Bizuben !

*5「会社の負債も相続するのか?」遺産相続無料相談コーナー

*6「契約書雛形の変更が必須!民法改正による連帯保証人制度の変更を解説」企業法務の法律相談サービス

*7「相続放棄をしても借金が消えない!?見落としがちな落し穴とは。」税理士法人ファンウォール

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