株式交換はどんな意味?メリットやデメリット、これまでに起きた実例も一挙公開。

株式交換はどんな意味?メリットやデメリット、これまでに起きた実例も一挙公開。

M&A用語

株式交換とは?その仕組み、メリットやデメリットをこれまでに起きた実例も交えてわかりやすく解説。

 

平成11年度に旧商法が改正されたことによって解禁され、さまざまなケースでM&Aの一環として活用されるようになった手法として「株式交換」があります。

 

株式交換とは一体どのような手法であり、実行するとどのようなメリットとデメリットが生じるのでしょうか。

 

株式交換に関する基本的な情報を網羅しながら、これまでに行われた株式交換の実例も交えて、詳しく紹介していきます。

 

そもそも株式交換とは何か

株式交換は、特定の株式会社や合同会社を相手先として選び、自社の株式をすべて取得させることによって、完全子会社化を実現させるというM&Aの手法です。

 

株式交換の概念図

 

完全子会社化というニュースを聞く機会は頻繁にありますが、こういったケースにおいては、その裏で株式交換が行われていたと考えれば相違ありません。

 

この手法はかつて禁じられていましたが、平成11年に行われた旧商法改正によって解禁され、M&Aの手法として株式交換ができるようになっています。

株式交換を実施することによって、経営効率を高めることが可能になることから、株式交換はグループ再編などの局面において非常に有効なM&Aです。

 

株式交換が行われますと、子会社から親会社に向けてすべての株式が譲渡され、その代わりに子会社は株式や現金、社債といった資本を手に入れることができます。

 

株式交換と株式移転はどう違うのか

株式交換と同じように、自社の株式を100%譲り渡す手法として株式移転というものがありますが二つには明確な違いがあります。

株式交換が既存の会社に対して行うものであることに対し、株式移転は新しく創設された会社に対して株式を譲り渡すという手法です。

 

つまり、M&Aも含めたグループ再編の意味合いを込めて株式交換が実施されることに対し、

株式移転は単純な組織変更の際に用いられる手法ということになります。

 

株式交換を行うメリット

通常のM&Aの場合、買収をするためにはキャッシュによる決済が前提となり、金銭的な余裕がなければ買収を進めることは事実上不可能です。

一方の株式交換であれば、株式をすべて取得できるという条件は変わりませんが、対価として支払うのは現金ではなく、新株となることが一般的になります。

 

そのため、新株発行の手続きが完了すれば子会社化を完結させることができ、買収資金を用意できなかったとしても買収を実行することができるのです。

 

また、買収が完了したあとも相手方の企業は存続する形になることから、経営統合を急ぐことなく、慎重に推し進められるという点も株式交換のメリットです。

 

反対を受けたとしても株式交換を押し切れる可能性が高い

M&Aの実行によって生じる問題の一つとして、少数株主からの反発という事象を上げることができますが、株式交換はこのようなリスクを避けられる可能性が高い手法と言えます。

 

買収先企業の株主のうち3分の2以上が株式交換に賛成すれば、自動的に100%子会社化を推し進めることができるためです。

 

たとえ少数株主が株式交換に反対意見を持っていたとしても、規定以上の割合で賛成を得られれば、反対意見を排除して無条件で子会社化することが可能です。

 

そのため、経営サイドとの間で株式交換が事前に合意できていれば、混乱が生じることなど一切なく株式交換を完了させることができます。

 

株式交換によって起こり得るデメリット

株式交換によって起こり得るデメリットとしては、メリットの裏側となる話ですが、会社の売却による現金化を図ることが困難になるという点を第一に挙げられます。

 

株式交換では、現金による買収ではなく、新株を割り当てることによって会社を譲渡するという手法を用いることが一般的です。

 

これがメリットになることもあるのですが、買収される側の企業にとっては、現金が手に入らないという事実が重くのしかかってしまうことがあります。

 

特に非公開企業が買収先となる場合には、取得した新株を市場で売却することもできなくなります。

現金を確保するための手段が奪われてしまうことになるのです。

 

買い手としては債務も含めて引き継ぐことになる

株式交換によって作った子会社を保有する場合、それまでに築いてきた子会社のメリットだけではなく、マイナスの部門に関してもすべて引き継がなければなりません。

もしも売り手となる企業に多額の債務が残っているという場合には、買収先がすべての債務を背負うことになりますから、この点には注意が必要です。

 

簿外債務にも気をつける必要があります。

 

関連記事:簿外債務とは何か?買収側・売却側双方に生じる問題やその発見方法・解決策を紹介。

 

想定以上の債務によって子会社化を完了させたあとに苦しむことがないように、しっかりとした財務調査等を行うことを意識しなければなりません。

こういった事情に加え、専門的な書類の作成、あるいは情報開示などの手続きが株式交換を行う場合には必須です。

 

したがって企業間だけで取引を行うと訴訟問題に発展する場合もあり、株式交換を実施する場合にはM&Aの実績に長けた仲介会社の利用がおすすめになります。

 

買収後の株価が低下するリスクもある

株式交換による買い手が上場企業だという場合には、子会社化の煽りを受けて1株あたりの利益が減り、これが投資家に嫌われるリスクがあります。

企業としての価値が低下していると感じられた場合には、大量の売り注文が殺到する場合があり、そうなってしまうと株価の下落は避けられません。

 

本来は企業価値を高めるためにM&Aを用いるのですが、反対に企業の価値を下げ、株価の低迷という結果を招く可能性があることも知っておきましょう。

 

株式交換の事例

日産自動車株式会社と愛知機械工業株式会社の株式交換

2011年12月、日産自動車株式会社は、自社で推し進めていた「日産パワー88」の達成に向けた戦略の一環として、愛知機械工業株式会社の完全子会社化を発表しました。

愛知機械工業株式会社は自動車部品メーカーとして存在感を増していた企業であり、両者間の役割をより明確にし、リソースを有効活用する手段として株式交換が選ばれています。

 

この取引において、愛知機械工業株式会社の株主のうちすべてが株式を日産自動車株式会社に対して譲渡することが決まりました。

一方で日産自動車株式会社は、普通株式の0.4株を、愛知機械工業株式会社の普通株式1株に対して割り当てています。

 

株式会社パソナグループと株式会社パソナメディカルの株式交換

人材派遣サービス業を営む株式会社パソナグループと、医療関係者の転職や派遣支援を手掛ける株式会社パソナメディカルの株式交換案件です。

元々、株式会社パソナグループが株式会社パソナメディカルの株式を99.53%保有していましたが、さらなる効率化を目指し、2016年に完全子会社化を実施しています。

 

この際には、パソナメディカル1株に対してパソナグループ27株の割り当てを実施し、株式交換を完了させました。

パソナグループは90%以上の株式を保有していたため、株主総会の決議を通す必要もなく、円滑な株式交換の実現を成し遂げています。

 

まとめ

株式交換は、特定の企業の株式をすべて取得する代わりに、新株を発行して割り当てるという方法で完全子会社化を実現させるM&Aの一種です。

買収先企業のメリットとしては、現金を用いることなく、負担を最小限に抑えながらグループの再編を目指せるという点を一番に挙げられます。

 

日本を代表するような大企業が株式交換を行うケースは非常に多く、連携の向上やシナジー効果の発生に期待できる取引です。

 

関連:M&Aで頻出の用語をわかりやすく解説!企業買収の理解を深めよう。

 

 

 

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