事業承継の個人保証とは?2020年の民法改正を前に知っておくべきこと。

事業承継の個人保証とは?2020年の民法改正を前に知っておくべきこと。

事業承継の基礎知識

事業承継の個人保証とは?2020年の民法改正を前に知っておくべきこと。

中小企業では、事業承継の後継者が決まっても経営者個人の個人保証を引き継ぐことが重荷で、後継者に事業承継を断られてしまうこともあります。

また、事業が失敗した場合などに生じる個人保証の返済は、社会問題にもなっています。

 

ここでは個人保証の説明と後継者もそれを引き継がなくてはならないのかといった点について解説します。

ただし現在は、融資の際に個人保証を求めないようガイドライン*1*2が設けられ法制化する動きへと向かっています。

 

個人保証が求められる理由とは

「個人保証」とは、企業が金融機関から融資を受ける際に、経営者やその家族などの個人が返済を保証することです。

なぜ個人保証が求められるのでしょう。一般的に中小企業は、金融機関から以下のような不安材料を抱えていると見られています。

 

・経営者の個人資産と会社資産が一体となって経営されていて不安

・財務や経営基盤が脆弱である

・経理面が不透明で粉飾がしやすい

 

つまり、金融機関からすれば、融資の不安材料を「個人保証」で取り除きたいのです。

何かあった時に、経営者の個人資産を担保にしてあれば、その財産で補填できるということですね。

 

 

事業承継の場合、個人保証はどうなる?

親族内承継でも従業員承継でも事業を承継する場合、経営者個人の債務や個人保証が問題になることがあります。

銀行など金融機関からの運営資金の借り入れは、中小企業の場合は経営者が保証人になっている個人保証がほとんどです。

 

事業承継を行う場合は、金融機関の同意を得た上で以前の保証を解除しますが、保証を解除したままだと、今度は銀行側がリスクを負うことになります。

なので通常は、新しい経営者がそのまま保証人になるように求められるケースが多いのです*4

 

一方、中小企業では銀行の代わりに、経営者が個人資産を会社に対して貸し付けているケースもあります。

その場合も後継者に対してその旨を説明しておかないと、トラブルの元になります。

 

経営者が死亡した場合に財産が相続人に相続されますが、会社への貸付金債権があればそれも相続されるので、相続人がその貸付金を会社に要求することもあるからです。

金額が大きければ、会社にとっても大きな負担になります。

 

個人保証から逃れたいのであれば会社売却という手法を考えるのが現実的です。

以下のコンテンツでは個人保証から逃れる具体的な方法を含めてわかりやすく解説しています。

関連記事:会社の借金を肩代わり!?中小企業の社長の個人保証を逃れる方法を含めて解説。

 

事業承継の後継者がチェックすべきこと

もしあなたが事業承継の後継者なら、次の3つが重要な確認事項となります。

 

・会社の株式は後継者に集中できるのか

過半数以上の議決権を経営者が所有していれば、単独で決議を通すことができます。逆にそれができなければ、経営に対立が生じる可能性が高くなります。

株式を相続する場合の注意点とは?売渡し請求行使による相続クーデターに気をつけよう!

 

・会社の業績は安定しているか

もし会社の業績が低迷しているなら、事業承継すると会社の株価は下がることが予想されます。また赤字経営が続くと、せっかく経営者になっても退任に追い込まれる可能性もあります。

 

・現在の経営者が負っている債務や個人保証があるか

前述した通り、後継者は経営者の債務や個人保証を引き継ぐ可能性があります。

これは個人的にリスクを抱えることであり、会社が倒産した時などには多額の負債を抱えるケースも少なくありません。

 

以上、3点を把握せずに事業承継すると、のちのち経営方針をめぐるトラブルに巻き込まれたり、赤字経営に苦しんだりといった事態に陥ることもあります。

また、事業承継のタイミングも大事です。業績が悪い時に交代したために、赤字がさらに続くということもあるのです。

 

「経営者保証(個人保証)に関するガイドライン」とは

中小企業では、融資を受ける際の経営者保証(個人保証)が重荷になっているところも少なくありません。

個人保証は資金調達の円滑化には寄与していますが以下のような問題があります

 

  1. 経営者による思い切った事業展開や後継者への円滑な事業承継の阻害
  2. 早期の事業再生の阻害
  3. 起業の妨げ
  4. ひいては日本経済の停滞につながると見られています。

 

そこで金融庁と中小企業庁が後押しをして、日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会を事務局とした「経営者保証に関するガイドライン研究会」が立ち上がり、

「経営者保証に関するガイドライン」*3がまとめられました。

これは平成25年 12月に公表され、平成26年 2月からすでに適用されています。以下はそのガイドラインが示す、企業が個人保証なしで融資を受けられるとするケースです。

 

・法人と経営者個人の資産が明確に分離し、その間の資金のやりとりが社会通念上の適切な範囲を超えない

・法人のみの資産、収益力などの財政基盤が十分で、借り入れ返済が可能

・金融機関からの決算報告書、資金繰り表、試算表などの情報開示の要求に十分に応じ、財務資料の提出に協力的など、経営の透明化につとめている

 

つまり経営者保証(個人保証)なしでも、一定の条件を満たせば融資を受けられるようにという指示です。

これは新規だけでなく、既存の融資に対しても以上のような改善が認められれば、すでにある保証契約の見直しを図ることができます。

 

このガイドラインには現在、法的な拘束力はありませんが、各関係者が自発的に遵守するように望まれています。

つまり個人保証があるため事業承継をするか悩んでいる方は、こうしたガイドラインを活用して、

個人保証を引き継がずに事業承継する可能性を探すこともできるのです*4

 

ちなみに2019年5月31日、政府は中小企業の事業承継促進のため、企業に個人保証を求めない枠組みを整えると発表。

 

まとめ

法人と個人の線引きが難しい中小企業の場合、個人保証による融資のメリットも確かにありましたが、

企業の倒産や大きな赤字の場合、経営者だけでなく連帯保証人(取引先や親族など)に生活苦を及ぼすなどの社会的な弊害もまた問題となっていました。

もともとは企業の信用能力の低さを補うものであった個人保証です。

 

そのため事業承継を前に、起業はその基盤の脆弱性をなくし財務の透明化を図ることが大事です。

もし必要なら、専門家に相談してみるのもいいでしょう。債務の相続に関して、相続放棄に関しては別記事で説明します。

 

関連:事業承継とは?知られざる種類から進め方までわかりやすく解説する!

 

*1「経営者保証なしで融資を受けらる可能性」政府広報オンライン

*2「中小後継者、個人保証なしで事業承継を促進—政府」2019年5月19日 時事ドットコムニュース

*3 「経営者保証に関するガイドライン」平成25年12月 経営者保証に関するガイドライン研究会

*4 「事業承継時に債務や個人保証はどうなる?」経営承継支援

*5「2020年4月1日から保証に関する民法が大きく変わります」法務省

(記事全体で参照)中小企業庁「中小企業白書」2018年版

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