(トラブルを未然に防ぐために)事業承継の良くあるトラブル一覧と対処法

(トラブルを未然に防ぐために)事業承継の良くあるトラブル一覧と対処法

事業承継の基礎知識

(会社の相続でのトラブルを未然に防ぐために)事業承継の良くあるトラブル一覧と対処法

 

事業承継の際には、会社の理念を引き継ぐ最良の後継者に経営を引き渡したいもの。

しかし、経営者の交代はトラブルの種にもなりえます。

親族や従業員の理解も得た上で、信頼のおける後継者に安心して承継できるよう、

起こりうるトラブルを把握し、事前に対策を立てておきましょう。

 

後継者の不足

事業承継に際し、最も多いトラブルが後継者の選定にまつわるものです。

以前は経営者の子どもが引き継ぐことの多かった中小企業ですが、同族経営や世襲等の慣習を守る風潮が薄れ、廃業を予定する企業の3割近くが後継者難をその理由としています。

 

廃業に追い込まれる理由

日本政策金融公庫総合研究所「「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」(2015年9月)

 

 

 

中小企業庁によると、今後10年の間に70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、そのうち約半数の127万人が後継者未定。

この数字は日本企業全体の3分の1にも上ります*1

経営者が高齢になるほど、体調面の不安等で突然の承継となる事態に陥りやすく、その際に適切な後継者がいなければ、経営が傾く恐れも出てきます。

 

たとえ、子どもや親族が継ぐ意思を持っているとしても能力や経験が伴わない場合や承継は簡単にできるという楽観的な見方により準備不足でうまく行えないこともありえます。

後継者としての育成が追いついていなければ、承継の段階になってふさわしくないと判断され、社内の承認が得られないかもしれません。

関連:生前贈与によって株式譲渡を受けて承継する時の手順と注意点とは!?

 

親族に後継者がおらず、従業員から後継者を選ぶ場合でも、周囲への根回しが不十分であれば、他の従業員から反感を買う可能性もあるでしょう。

 

株式譲渡における費用の発生

会社の経営を後継者に引き継ぐ際、親族であれば、相続や贈与という形で自社株を譲り渡すことが一般的。

ですがその場合、相続税や贈与税といった税金が払えない事態も起こりえます。

 

また、財産や資産の全てを後継者のみに渡すと、同じく相続人である他の親族から遺留分(最低限受け取るべき財産保証)を主張され、トラブルの元になりかねません。

従業員が事業承継する場合には、株式の有償譲渡のケースが多く、自社株を買い取るための資金調達が重荷となります。

対策としては「経営承継円滑化法」で認められている遺留分に対する特例処置が挙げられます。

以下の記事で解説していますのでご覧ください。

【遺留分減殺請求権とは?】改正法を含めてわかりやすく解説!「民法の特例」を用いて対策しよう。

 

銀行融資を受けようとしたところで、経営者の交代直後では信用力を低く評価されやすく、審査に通らない可能性もあります。

さらに、経営者及びその親族との合意形成を怠れば、問題発生のリスクも高まります。

 

先代の権力保持及び古参従業員からの反発

引退した経営者が引き際悪く、後継者の意思決定に口出しをしたり、会長に就任して会社のお金を管理したりするというのもよくある話です。

先代が経営に積極的に関与し続ければ、従業員は前経営者が実質の決定権を持つと見なし、その意見に耳を傾けるでしょう。

 

後継者は上司として認められにくい環境となり、信頼を失ってしまうかもしれません。

また、先代の下で長く働いてきた、後継者より年齢も経験も上の古参従業員には、すでに定着している彼らのやり方があり、理解を得ることが難しい場合もあります。

 

突然現れたような後継者の新しい手法にはついていけず、社内に混乱が生じるという事態も珍しいことではありません。

 

対処法

では、これらのトラブルを未然に防ぐために、どのような対処ができるのか見ていきましょう。

 

後継者の不足

まず、どの産業においても後継者が不足しているという事実を認識し、後継者探しを早めに進めることが肝心です。

子どもが後継者となる場合、親子であるからこそ、経営者としての素質があるのかどうか客観的に見極める必要があります。

 

後継者としての意思や覚悟が備わっているかどうか早めに確認しておくことも不可欠です。

第三者の意見も受け入れながら慎重に判断し、育成に取り組みましょう。

 

後継者の不足

 

 

一方で、従業員を後継者とする社内承継には、会社や事業について熟知している人や経営理念を踏襲してくれる人を選べるといった利点があります。

信頼できる従業員を抜擢することで、他の従業員や取引先の理解を得やすいのもポイントです。

 

大切なのは後継者を早めに決定し、事業や経営について理念をしっかりと引き継ぐこと。

経営者が引退する前に引継ぎ期間を長く設け、後継者を育成しましょう。さらに周囲の理解を得られるよう、根回しをしておくことも重要です。

 

後継者が見つからずに悩んだり、廃業を考えたりしているようであれば、M&Aによって第三者に事業譲渡するというのも選択肢の1つ。

抵抗を覚える人もいるかもしれませんが、中小企業庁は「後継者が不在のため事業承継が行えないといった課題を抱える場合、いわゆるM&Aによって、事業の継続・技術の伝承等を図ることが重要」との考えを示しています*2

 

これを受け、2018年に中小企業等経営強化法が改正され、M&Aによる事業承継が支援対象に追加されました。

第三者への事業承継を後押しする狙いです。

事業承継における会社売却の魅力を解説!後継者がいない場合は第三者への承継を検討しよう。

 

株式譲渡における費用の発生

株式や税金については、専門家の意見を聞くのが賢明です。相続の際には会社経営に支障をきたさないためにも、事前に親族内で十分に話し合いましょう。

従業員の中から後継者を選ぶとしても、親族の理解を得ることは必須です。

 

株式譲渡による費用や税金の発生

 

株式や事業用資産を無償で後継者に承継する場合には、相続税や贈与税の支払いが必要になることがあります。

税金支払いのための資金が足りず、事業承継が失敗に終わってしまうことのないよう、節税対策も重要です。

 

事業承継税制と呼ばれる制度利用も検討しましょう*3

これは、円滑化法に基づく認定のもと、中小企業の後継者が贈与・相続により取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税を猶予されるというもので、後継者の親族内外にかかわらず適用の対象となります。

関連:経営承継円滑化法とは?中小企業の維持・継続を支える政策をわかりやすく解説!

 

先代の権力保持及び古参従業員からの反発

先代の立ち位置は、事業承継にあたり大きなポイントです。

事業承継を決めたら早めに引退を予告することで、後継者の意識を高めることにもつながるでしょう。

 

先代の権力保持及び古参従業員からの反発

 

事業承継後には引き際を潔く、経営権を速やかに委譲し、後継者の巣立ちを見守ってはいかがでしょうか。

社内に混乱を招かないためにも、「事業承継計画」の作成がおすすめです。

関連:事業承継税制の一般措置と特例措置の違いとは?特例承継計画表等の特例措置適用手続きも含めてわかりやすく解説。
関連:事業承継の準備と進め方を中小企業庁のガイドラインから学ぼう!

 

突然の事態にも対応しやすく、スムーズな事業承継を目指せます。

本来の業務に支障をきたさないよう、予め明確な意思表示をしておきたいものです。(なお、事業承継計画の作成については、中小企業庁のウェブサイトより記入例参照可*4。)

 

まとめ

事業承継を機に会社が経営不振に陥ることを防ぐためにも、「経営革新計画」を作成するのも一案でしょう。

中小企業が「新事業活動」に取り組む際に策定が推奨されている中期的な経営計画書のことで現状の課題や目標が明確になる効果が期待できるほか、

国や都道府県に計画が承認されると補助金等、様々な支援策の対象となり業績拡大を目指せます。

中小企業にとっては、事業承継による経営者の変更は最大の危機となりえますが、うまく生かせばそれは飛躍のチャンスでもあります。

 

トラブルを避けられるよう、早めの行動による事前準備が肝心。身を引く経営者の、最後の手腕が問われます。

 

関連:事業承継とは?知られざる種類から進め方までわかりやすく解説する!

 

*1 中小企業庁「事業承継・創業政策について」P1

*2 中小企業庁「事業承継・創業政策について」P5

*3 国税庁「事業承継税制特集」

*4 中小企業庁「事業承継ガイドライン 20問20答」事業承継計画の作成

 

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