M&Aにおける技術提携とは?事例などを紹介。

M&Aにおける技術提携とは?事例などを紹介。

M&A用語

M&Aにおける技術提携とは?概要とメリット・デメリット、注意点など事例を交えて解説。

技術提携とは?

技術提携」とは、何かしらの分野で独自の技術を持つ企業同士が、お互いの技術を供与し合う、または一方的に供与するような協力関係のことを言います。

 

技術」とは単に知識やノウハウなどのみを示すわけではなく、機械の図面や特許権など、もっと具体的なものを共有していることも多いです。

 

特許などを一方的に供与する形での提携の場合、供与する側はその分のロイヤリティを得るのが一般的であり、これを技術提携契約と呼びます。

 

技術提携のメリット・デメリット

技術を供与する側は、相応のロイヤリティを得られなかったとしても、ビデオのVHS、OSのWindowsなどのように、供与することで業界内での優位を築くことができるというメリットもあります。

 

技術提携は国内間ではもちろんのこと、国際間でも形成されることが多く、大きな企業はしばしば国際戦略の一つとして技術提携を用いています。

 

国際間の技術提携は、海外事業への直接投資と比べメリットが多く、設備投資の必要がない、施設の直接経営に比べ手数がかからない、原料や半製品など物品の提供の場合輸出利益の期待ができる、直接投資で進出できない国にも技術提携でなら進出できる、などがあげられます。

 

逆にデメリットとしては、被供与企業が供与企業の競争企業になる可能性がある、被供与企業の技術の扱い方によっては特許や商標に傷がつく恐れがある、所在国の政策によっては利益が損なわれることもある、などがあります。

 

1960年代までは日本では被供与企業の方が多かったとされていますが、1970年代以降から現在に至るまでは供与企業のほうが多くなっています。

 

販売業等の場合は、一方的に技術を供与する形での提携よりも、お互いに技術を供与し合う形での提携の方が多いようです。

両者が同じ目的を見据え、技術やノウハウなどを細部に渡ってまで提供し合うため、基本的にどちらに対してもロイヤリティなどは発生しません。

 

商品開発、サービスの開発、クレーム処理、メンテナンス体制など様々な技術を交換することになりますので、新規事業の場合は特にその分野のルールなどに注意を払う必要があるでしょう。

もちろん工業系などの分野でもお互いに供与しあう技術提携を結ぶことは多々あり、その場合目的の多くは新規技術や新規事業の開発になります。

 

新規開発はどうしても莫大なコストと時間がかかるものですが、技術提携の上でならその両方を大幅に削減できます。

また新規技術の開発を自社のみで開発しても、うまく活かしきれない例というのも多々ありますが、技術提携で複数の会社、それも大企業と提携した上でなら、技術を十全に活かしきれるだけでなく、技術が有名になることで特許による利益を得ることも期待できます。

 

事例1 セブンイレブンとユニクロ

2015年8月、セブン&アイ・ホールディングスとユニクロを運営するファーストリテイリングが提携を行う方針であると発表しました。

セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長と、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長のトップ合意で話が決まったといわれています。

 

セブンイレブン側の利点としては、店頭でユニクロの商品を販売できるという他にはない強みを持てることです。

 

ユニクロ側としては、単純に販売数を増加させることができるだけではなく、コンビニへの配送量が増加することによって自社ネット通販の配送効率向上にも繋がります。

 

セブンイレブンが力を入れているものの一つに「オムニチャンネル戦略」というものがあり、これは「いつでもどこでも買い物が楽しめる」をコンセプトに、ネットとリアルの店舗を融合させ、いつでもネットで購入した商品を実店舗で受け取れるようにするというものです。

 

その受け取れる商品の中にユニクロの商品があれば、戦略の成功への強力な助けになるとセブン&アイ・ホールディングスは考えているようです。

 

[東京 31日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>とファーストリテイリング <9983.T>は31日、包括的な業務提携を行うことで協議していることを明らかにした。幅広い分野での提携により、変化への対応を強化する。

年内をめどに提携の具体策を詰めていくが、インターネットで購入したユニクロの商品をセブンイレブンの店頭で受け取れるようにするほか、新ブランドなども検討課題となる。海外でも協力する。

ファーストリテは「両社が小売りの将来を見据え、さまざまな分野での業務提携に向けた話し合いを始めていることは事実」とのコメントを発表した。7&iHDの広報担当者も「包括提携で話し合いを始めたことは事実」と述べている。

引用元:セブンとユニクロが包括的業務提携へ

 

事例2 AppleとIBM

パソコンメーカーとして同業のAppleとIBMは2014年に企業向けモバイルサービスにおいての提携を発表しました。

IBMはAppleに収集したビッグデータの分析ノウハウなどを提供しているとしており、Appleはそれをiphoneユーザーに向けた効率化アプリケーションとして配信するとしています。

 

具体的な提携内容は4つの骨子から成っています。

 

1つ目は、ソリューションの雛形を各業界に特化した形で100種以上提供すること。ソリューション名は「IBM MobileFirst for iOS」です。

2つ目は端末管理やセキュリティ、データ分析などiOSに最適化されたIBM独自のクラウドサービスを提供すること。ソリューション名は「IBM MobileFirst Platform for iOS」で、「IBM Bluemix」上で利用可能になるとされています。

 

3つ目は企業ニーズに細かく対応する新たなモバイルサービス&サポートを提供すること。ソリューション名は「AppleCare for Enterprise」で、アップルの年中無休のカスタマーサポートとIBMの提供するオンサイトのサポートを組み合わせたものになるとされています。

 

4つ目はIBMが企業向けにiPhoneやiPadを販売すること。ソリューション名は「IBM MobileFirst Supply and Management」で、端末活用のためのサービスや、リース契約もオプションサービスとして提供されるようです。

 

【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アップルは15日、米IBMと法人営業で提携すると発表した。IBMの業務用サービスと営業網を使い、アップルのタブレット(多機能携帯端末)「iPad(アイパッド)」などの携帯端末を販売する。アップルは弱点とされてきた法人分野でIBMと組み、米マイクロソフト(MS)の切り崩しを狙う。

アップルはIBMとの連携で高い安全性と専門性を有する法人向けソフト・サービスを100程度用意する。スマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」やiPadに組み込む。IBMが携帯端末の顧客窓口となる。

引用元:米アップルとIBMが提携 法人向け携帯端末を販売

 

事例3 アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ

アサヒビール、キリンビール、サントリービール、サッポロビールの4社が、2017年9月にビールの共同配送を始めると発表しました。

トラックの運転手不足が深刻になり、自社だけでは運べなくなってしまうリスクを見通しての提携の判断だとされています。

 

この提携により年間の長距離トラック運行台数は800台減り、CO2排出量も3割ほど削減されると見込まれています。

共同配達では、ビールはもちろん各社の清涼飲料水なども運ぶようです。

 

こうした食品メーカー同士の提携はこの4社が初めてではなく、こうした取り組みが広がることで企業にとっても物流業界にとっても大きな安定化、効率化になると言われています。

 

アサヒビールやキリンビールなどのビール大手4社は16日、北海道で製品の共同配送を9月から始めると発表した。ライバル関係にある4社が共同配送で連携するのは初めて。トラックの運転手不足が深刻になる中、運べないリスクを回避する。長距離トラックの運行台数を年800台減らすと見込む。

引用元:ビール大手4社、共同配送を発表 北海道で9月から

 

まとめ

技術提携には様々な形があり、ニュースなどで事例だけを見るとややこしく感じるかもしれませんが、実際は実に単純で応用の幅が広いものです。

その便利さ故に昔から国内外で多く利用されてきており、今では国際戦略の一つとしても用いられています。

 

個々の企業としても、そして業界や文化などの大きな目で見ても有益に働くのが技術提携です。利用できる機会があればぜひ利用していきましょう。

 

関連:M&Aで頻出の用語をわかりやすく解説!企業買収の理解を深めよう。

 

 

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