旅行・宿泊業界におけるM&Aの動向は?旅行会社、宿泊会社のM&Aについて今後の見通しを解説。

旅行・宿泊業界におけるM&Aの動向は?旅行会社、宿泊会社のM&Aについて今後の見通しを解説。

業界別M&Aの動向

旅行・宿泊業界におけるM&Aの動向は?旅行会社、宿泊会社のM&Aについて今後の見通しを解説。

 

M&Aはここ7年ほど常に増加傾向にあり、今後もますます拡大していくと見られています。

今回は、旅行・宿泊業界におけるM&Aについて動向を見渡しつつ、今後の見通しについて解説します。

 

この記事を参考に、M&Aの活用戦略の方針を見出して頂ければ幸いです。

 

旅行業界の課題と現状

まずは旅行会社・旅行代理店の現在の課題と市況について、簡単に見ておきましょう。

近年頓に変化が大きい業界として知られている旅行業界ですが、その課題とはどういったものなのでしょうか。

 

旅行者における旅行スタイルの変化

旅行会社・旅行代理店は、従来までは、豊富な知識と経験に基づいたプロの目利きによる完璧かつ綿密な旅行プランを、多くの旅行者にパック料金で提供するというスキームが一般的でした。

一定以上の人数を集め、同じ場所を集団で巡ることにより、合理的に安く旅行プランを組み、ガイド料金や仲介料などで利鞘を稼ぐ手法は、旅行者からも人気でした。

 

しかし現在では、時代の変化とともに、旅行者の旅行スタイルが大きく変化してきています。

基本的には旅行者自身が個々に行きたい場所やプランを考えて決める傾向にあり、プランや行き先が固定されたパック旅行を選ぶ人が減少してきているのです。

 

例えば、行きと帰りの交通手段と宿泊先だけを手配してもらい、それ以降は自由に楽しむというスタイルが一般化しています。

旅行会社自体、旅行仲介業者自体を利用しないという人も年々増加しています。

 

インターネット販売の普及

旅行代理業は、基本的には参入障壁が低いといわれています。

インターネットが一般に広く浸透しきった現在においては、インターネット販売による低コストな旅行代理店の新規参入が相次ぎ、価格競争が著しく進んでいることが問題視されています。

 

特にLCCの認知が進んだことにより、個人客は自分で格安航空券を買うことが増え、法人顧客を対象とした業務渡航(BTM)分野においてもインフラ整備が進んでいます。

旅行会社や旅行代理店においては、個々人でのプラン組みや航空券購入よりも、さらに便利、かつ合理的なシステムの構築が急務となっています。

 

コミッションの減少

旅行代理店は、航空券や宿泊施設の手配に際するコミッション(委託・仲介手数料)が主な収益源となっています。

しかしながら近年、航空会社や宿泊施設の経営難が深刻化していることから、こうしたコミッションにおける収益も減少の一途をたどってしまっています。

 

そのため、ビジネスモデル転換が急務とされています。

 

現在の旅行業界におけるM&A動向

それでは、現在の旅行業界におけるM&A市場は、どういう市況にあるのかを見ていきましょう。

 

大手旅行代理店同士のM&A、特に事業提携が非常に増えている

旅行業界においては、現在、大手旅行代理店同士がM&Aを活用した事業提携を進めている現状が注目されています。

先の章でも説明した通り、現在、旅行業界では、旅行会社・旅行代理店の主要な収益源であったコミッションの減少が著しいこともあって、業界全体においての収益も、減少の一途をたどっています。

 

宿泊業界や航空会社の経営難も相まって、収益の減少と業界の価格競争が並行して進んでいる影響で、少ないパイの奪い合いによる収益悪化の悪循環が、特に近年顕著な問題として取り沙汰されています。

これには、旅行業界への参入障壁が、比較的低いというのも影響しています。

 

こうした危機的状況において、なんとか生き残りを図ろうと、現在リアルタイムで大手旅行代理店同士の事業提携が相次ぐなど、M&Aを大きく活用した業界再編の動きが活発化しています。

 

独自のサービスの獲得を視野に入れたM&Aが目立つ

近年は、大手旅行会社による旅行代理店の買収も増加しています。

インターネットを主体とした旅行業界全体の大きなスタイルの変化が急務となっている昨今、大手旅行会社にとっては、その旅行スタイルに関する需要の変化に逐次対応できる柔軟性の獲得が必須となってきます。

 

そのため、その旅行代理店独自のサービスやプランを提供しているような、少し個性的な旅行代理店を買収することで、より細かい需要に対応できる柔軟性の構築を目指している会社が多いようです。

また、規模は小さいものの、独自のサービスを提供している旅行代理店としても、大手旅行会社の傘下に入ることで、より潤沢な資金で、さらにサービスを拡充できます。

 

今後は「新たな収益モデル」と「サービスの多様性」がキーになる

これからの旅行業界は、「新たな収益モデルの構築」と「サービスの多様性」がキーワードとなってくるでしょう。

そうした狙いもあって、今後しばらくは、既存の旅行代理店の統廃合や、大手による中小の買収などの業界再編が活発化していくと見られます。

 

ホテル・宿泊業界の課題と現状

次に、ホテル業界、宿泊業界の抱える課題を主体として、ざっくりとした市況を眺めていきましょう。

近年ビジネスモデル的にも困難に直面しているホテル・宿泊業界、その課題と現状はどういったものなのでしょうか。

 

繁忙期と閑散期の差が出やすい業界 安定した集客の維持が急務

ホテル業界、宿泊業界に大きな特徴として、繁忙期と閑散期がわかりやすくはっきりと分かれてしまうというものがあります。

しかしながら、ホテルや宿泊施設という比較的大きな資産を抱えている以上、できるだけ常に一定以上の稼働率が見込まれるべきです。

 

ところが、ホテルをはじめとする宿泊施設は不動産ですから、建物のある地域そのもののブランド力によって、収益が左右されてしまいがちです。

そのため、ホテル業界、宿泊業界の急務としては、安定した稼働率を確保するべく、地域ぐるみによるブランディング戦略をはじめとした、地方自治体そのものとの相互扶助のような戦略を構築することが求められます。

 

近年では、単なる観光価値にも多様性が見られ、例えば小説やドラマ、アニメの舞台を「聖地巡礼」するなど、季節を問わないブランドをつけることができる可能性が飛躍的に高まってきています。

そのため、常に安定した稼働率を確保するためにも、地域と一体となった集客の維持が必要になってきています。

 

施設の設備維持や定期的な改修が行える資本力

旅行業界とともに、利用者側の利用の仕方が大きく変化しつつあるホテル業界、宿泊業界においては、不動産である施設そのものの維持や、建物内の設備の拡充や維持も大切です。

近年では防犯のためのカードキーや、訪問外国人客にも高い需要がある無料Wi-Fiの充実など、ホテルに求められる設備もよりレベルが高くなっています。

 

そうした需要に柔軟に対応できるだけのある一定以上の資本力も、ホテル業界、宿泊業界においては重要となります。

資本力がなければ、ある一定のサービスのまま長期的に動けない状態が続くため、経営が不利になっていくでしょう。

 

離職率の高さと人材不足も大きな課題

ホテル・旅館などの宿泊施設において特に問題となっているのは、その離職率の高さです。

厚生労働省がまとめている統計によれば、「宿泊業・飲食サービス業」は、入職率・離職率共に圧倒的トップで、どちらも30%に迫る勢いで高くなっています。

 

元々の離職率の高さはもとより、業界全体の経営難や今後の超高齢者社会における労働人口の減少も相まって、人材不足が大きな問題となると考えられています。

近年のホテルでは、自動チェックイン・チェックアウトや、AIを搭載したロボットなどの活用による自動化も進んではいるものの、人材不足は大きな課題として未だに残っています。

 

ホテル・宿泊業界におけるM&A動向

それでは、ホテル・宿泊業界におけるM&A市場は、どういう市況にあるのかを見ていきましょう。

 

大手同業・異業種の企業によるシナジー狙いの買収が相次ぐ

ホテル・宿泊業界においては近年、2018年6月施行の住宅宿泊事業法の影響や、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催、およびそれに伴う訪日外国人客の増加により、M&Aが積極的に行われています。

特にM&Aを活用した買収が増加していて、同業・異業種問わず大手企業が経営の効率化やブランド価値の向上、事業領域拡大や付加価値などの差別化を狙った買収を多く行っています。

 

特にブランディングや付加価値がキーワードとなるホテル・宿泊業界では、事業提携や買収によるシナジー効果を得ようとする動きが活発化しています。

売り手側としても、業績不振・資金不足の解消、損失回避、特定の事業への専念といった現状の困難から解放されるべく、事業売却を行うケースが後を絶ちません。

 

また、小さな資本力しかなかったホテルが大手資本の傘下に入ることでより、付加価値の高いサービスが提供でき、それが買い手側の業績改善につながるなどの好循環も生まれます。

 

独自のサービスの環境づくりを視野に入れたM&Aが目立つ

宿泊事業への参入障壁もある程度はあるといっても、資本力さえあればそこまで高いものではありません。

そのため、M&Aによってホテルや旅館などの不動産のみを買い取り、新たなスキームによる事業を行うベンチャー企業も増えています。

 

既存のホテル業だけでなくシェアオフィス事業と掛け合わせた経営を展開したり、スマートフォンを活用した先端技術を取り入れたりなどの応用を狙った新事業も増えています。

短時間貸しやスタジオ設備の拡充などより、ニッチな市場での顧客獲得を意識した、よりシームレスかつ合理的な経営を行うために、異業種がM&Aを行うケースも増えているのです。

 

今後は「施設の自動化」と「付加価値」がキーになる

これからのホテル・宿泊業界は、「施設の自動化」と「付加価値」がキーワードとなってくるでしょう。

そうしたものが生み出すシナジー効果の狙いもあって、今後しばらくは、異業種参入も含めた大規模な業界再編が活発化していくと見られます。

 

訪日外国人客の増加も今後見込まれることから、よりグローバルなサービスやシステムの構築も急務で、そうした強みを効率よく得ていくためのM&Aも進んでいくと考えられます。

 

まとめ

国内旅行業界・宿泊業界におけるM&Aについて、近年の業界内のM&A動向を振り返りつつ、今後のM&Aの見通しも含めて解説しました。

旅行業界、宿泊業界ともに共通する課題は、「グローバルな販路の拡大」と「サービスに付加価値をつけること」であり、しかもそれを出来る限り早く解決していかなければなりません。

 

また、業界問わず人材不足は日本全体を巻き込む大きな問題となっており、そうした人材の獲得に際しても、M&Aは大いに有効な策となります。

今後の旅行業界・宿泊業界は、効率的な経営と収益のスキームを確立しながら、サービスに付加価値をつけていかねばならない厳しい局面に立たされています。

 

こうした現状だからこそ、買い手・売り手ともにメリットのあるM&Aは今後も活発化していくでしょうし、M&Aなしには、事業継続が難しくなる企業も出てくるはずです。

早めにM&Aを検討されることをおすすめします。

 

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