運送業界のM&Aは有効か?業界の現状や将来を予測しM&Aの動向に迫る。

運送業界のM&Aは有効か?業界の現状や将来を予測しM&Aの動向に迫る。

業界別M&Aの動向

運送業界のM&Aは有効か?業界の現状や将来を予測しM&Aの動向に迫る。

インターネットの発達によって通信販売が活発に行われるようになり、物流業界の需要は増加の一途を辿り、業界の負担は社会問題としても取り上げられています。

運送時における安全整備といった点にも注目される運送業界ですが、現在、そして 今後のM&Aはどのように考えられるでしょうか。

 

今回は運送業界におけるM&Aに着目し、業界の現状と課題、そして展望を交えながら、近年の実例も含めたM&Aの動向をお伝えします。

 

運送業界の現状

運送業界の現状を語る上で欠かすことのできない要素は、通信販売の利用者が劇的に増加したことです。

それにより一般家庭からの需要に変化が起きているといえます。

 

国土交通省による「宅配便取扱個数の推移」のデータを見ると、平成26年度の宅配便取扱個数が約36億個であったことに対し、平成30年度には43億個にまで増えています。

宅配便取扱個数の推移

参照:国土交通省

 

過去1~2年の成長率にこそ落ち着きが見られるものの、需要過多という現状に疑いの余地はありません。

運送業界に多大な負担がかかっていることは間違いありません。

 

結果として「在宅なのに不在扱いにされた」「指定した時間通りに荷物が届かない」といったクレームが寄せられることも多くなっています。

特にアルバイトやパート従業員の雇用が多い運送業者にとっては、顧客からの信頼を損ねるリスクとも向き合わなければならない時代となっているのです。

 

宅配便の配送はほぼトラックが担っている

国土交通省による同データを紐解くと、航空等利用運送の手段で配送される宅配便の数は、26年度は4,400万個、30年度は4,600万個とほぼ横ばいでした。

一方のトラック配送料に関しては、26年度の35億7千万個から、30年度には42億6千万個へと激増していることがわかります。

 

宅配事業という性質上、ある意味では当然の結果ですが、トラック運送に代わる手段が出現していないことを如実に表すデータです。

 

運送業界の課題-事故のリスクも付きまとう-

これらのデータが示す通り、物流業界、特に現場のスタッフにとっては過剰ともいえる負担がかかっており、不満が噴出しやすい状況にあります。

その一方でECサイトの発展と競争は持続的であり、他社との差別化を図る上で「スピード配送」を売りにする企業が増加していることも特筆に価します。

 

運送業者としては要望に応えざるを得ず、さらに現場にかかる負担が増し、労働環境の悪化を招くという悪循環に陥っています。

賃金の向上などで一時的に現場の士気を高めることができたとしても、人材難に苦しむ運送業者が相次いでいることは、運送業界における現状の課題です。

 

トラックへの負担が増加することによって、運送中の事故という大きなリスクはますます高まっています。

配送中に事故が起きると、配送の時間が大幅に遅れてしまうことは当然として、破損などのトラブルも同時に発生することになります。

 

死亡事故が発生した場合には補償の問題もさらに大きくなる上、会社の信頼を損ない、特に中小企業にとっては致命傷を負ってしまう可能性も考えなければなりません。

現場の負担増によって過労、睡眠不足などが起これば、従業員の事故のリスクは高まる一方であり、これからの運送業界に解決を求められることになります。

 

運送業界の課題解決になり得るM&Aの成立

現状と課題が浮き彫りになりつつある昨今、抜本的な解決策として注目されているがM&Aです。

運送業を営む大企業同士、あるいは中小企業と大企業によるM&Aの成立は近年非常に多くなっており、提携を強固にすることによって負担減を実現させています。

 

例えば大手の日本通運株式会社は、愛知県で地盤を固めている名鉄運輸株式会社と資本業務提携を結び、株式の20%を取得するという形でM&Aを成立させました。

その結果として、運送網を相互で利用できるようになったことに加え、共同での仕入れによる原価削減などを実現させており、企業としての成長も果たしています。

 

運送業者がM&Aを意識する理由

第一に挙げられるのが経営者や現場スタッフの高齢化であり、特にドライバーに若手スタッフを登用できないという問題が各社で目立っています。

現状は黒字での経営ができていても、将来を見通すと不透明である場合が多く、企業としての価値が高い今のうちにM&Aを成立させたいという思惑を持つ企業が多いのです。

 

次に、運送業界はそもそも中小企業が大半を占めており、大企業同士のM&Aが進むことにより、中小企業におけるビジネスの機会が失われつつあるあるという点があります。

組織の巨大化が進むに連れ、中小企業は苦しい立場に追い込まれることが増え、価格競争やカバーできる地域などで格差が広がるという現象が起こります。

 

そのため、徐々に依頼件数の低下による苦戦が見られるようになり、M&Aという道を選ぶ経営者が多いという現状があるのです。

一方で買い手から見ても、ネットワークを増強させ、コストを削減しながらスタッフの負担を減らせる可能性があるM&Aは非常に有益な手段になっています。

 

売り手としても自社の価値を落とすことなく、妥当な条件でのM&A成立を目指せるとあって、運送業界のM&A成立件数は急速に増加しています。

 

運送業界におけるM&Aの実例

同業同士のM&A

2018年10月10日にまとまった同業同士のM&Aとして、日新運輸とエーアイティーによる株式交換を挙げられます。

日新運輸は日立物流の傘下として経営を行っていた企業ですが、中国関連貨物の強化を目的として株式交換を行い、エーアイティーが完全子会社化しました。

 

これにより、2社合計の海上貨物取扱量としては物流業界でトップ3へ躍進し、主にアジア市場におけるシェア率の拡大を実現させています。

 

他業種とのM&Aを実現させられる可能性も大きい

2018年7月には、大手家電量販店のビックカメラが、運送業を営んでいる中小企業のエスケーサービスを子会社化するM&Aを成立させています。

家電はインターネット上でも気軽に購入できる時代になっており、ビックカメラにおいてもECサイトからの販売実績が増加しているという背景がありました。

 

店頭での販売に関しても、購入された商品を速やかに配送できるか否かが売り上げを左右する別れ道となり、その強化策としてM&Aを選んでいます。

このような形で、運送業者は同業以外の企業とM&Aを成立させられる可能性も高まっており、企業の特性や価値を前面に出した状態で売り込みをかけることが可能です。

 

さまざまな選択肢が経営者に与えられている現在は、運送業者にとって絶好のビジネスチャンスでもあり、出口戦略の一環としてM&Aを活用する企業が増えています。

 

まとめ

運送業界は、ECサイトの発展による需要増で業績が上向く企業が増加していますが、その一方で現場スタッフの負担過多、事故リスクの上昇といった問題を抱えています。

そういった問題を解決するための手段としてM&Aがあり、後継者不足や現場の高齢化、大企業同士の結び付きによって生じる悪影響の回避を目指すことが可能です。

 

運送業界同士のM&Aのみならず、他業種と協力関係を築くことも可能であるため、運送業者のM&A機会は今後も増加することが予想されています。

 

関連:業界別のM&Aの現状と今後の動向を紹介

 

 

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