卸売業に必要な廃業手続きは?買掛金や倉庫の処分、確定申告など

卸売業に必要な廃業手続きは?買掛金や倉庫の処分、確定申告など

各業界の廃業手続きと注意点

卸売業に必要な廃業手続きは?買掛金や倉庫の処分、確定申告など。

経営不振や後継者不在などやむをえない事情で、卸売業の廃業が毎年見られます。

本記事では廃業を考えている人や、現在経営中ながら万が一の場合に備えたい人のため、卸売業に必要な廃業手続きを解説します。

 

これを参考にすれば、買掛金や倉庫の処分など、廃業に必要な作業や手続きを把握できます。

 

卸売業を廃業する主な理由

卸売業が事業を終了する理由には以下の3つが考えられます。

 

経営不振

卸売業が終わる理由で多いのが経営不振です。

現代社会ではECと呼ばれるインターネットビジネスが発達しており、在庫を持たないでネットショップを開く例も見られます。

そのため、メーカーから仕入れたものを小売業に売る卸売業は新しいあり方を問われており、必要価値を見出せず廃業に至る場合が見られます。

関連:小売業の廃業手続きとは?スーパーや百貨店、更には個人商店の廃業の手続きと注意点について解説。

 

食品や医薬品など、まだIT化が行き届いていない分野もあります。

しかし今ならネットさえあれば、何でも簡単に直接メーカーから仕入れて売れるため、

ECと差別化しながら魅力あるコンテンツを生み出せなければ卸売業が生き残るのは難しいとされます。

 

後継者不在

その時点の経営者が身を引く決心をつけ、後を継いでくれる人がいないための事業停止もあり得ます。

特に現代社会では、人手不足が問題になっているので、このようなことも多くなっています。

関連:大廃業時代とは?中小企業の跡継ぎを含めた後継者不足問題の深刻さと有効な対策。

 

現時点の経営者が病気などで倒れたり亡くなったりすると、事業継続が即不可能に至る場合もあります。

経営は複雑な配慮が求められるため、資質に欠けた人を陣営に加えてだましだましやるよりも、ひと思いに閉めた方が得という考えも多いようです。

 

ハッピーリタイアメント

事業停止はネガティブな理由ばかりとは限りません。

「ハッピーリタイアメント」などとして、定年よりも少し早い段階で事業を終わらせ、余生を過ごしたり新しいことを始めたりする人もいるようです。

 

卸売業は商品のコントロールが重要視されるので、ハードワークも充分ありえます。

特に経営陣は自由時間を持ちづらいことが多くあります。新しいことを始める決心がついたとき、会社経営の状態を問わない活動打ち切りもありえます。

 

廃業にも手続きが必要

廃業は一方的に宣言するだけでは成立せず、相応の手続きが必要です。創業よりも時間がかかるケースもあるので、手順や方法などを確かめましょう。

関連:日本の中小企業の廃業問題とは?会社をたたむ理由や必要な費用を含めてわかりやすく解説!

 

事業を続けられなくても放置は勧められない

会社を事業停止状態で放置すると「休眠会社」となります。

しかしこの状態でも必要経費は毎月かかり税務申告もあるため、

 

事業終了の決心がついたらそれ以上の出費が出ないよう処分が推奨されます。

これ以上卸売業を続ける意思がないなら、在庫や倉庫の処分など、残務処理と向き合いましょう。

 

可能なら売却も考えられる

自身が経営を続けず、後継者もいないなら、廃業だけでなく売却も手段として考えられます。

事業売却できれば、相応のゲインがもらえるので、次のステージや余生などの貴重な資金になるでしょう。

 

M&A仲介会社や企業買取りサービスに相談し、お得に卸売業を売れる条件を探りましょう。

特に衣類や飲食物、家財道具などの卸売業は、人間の生活に必要な「衣・食・住」に関わるビジネスですので、比較的同業他社の買い手が見つかりやすいでしょう。

 

廃業手続きには2つのポイントがある

廃業手続きは解散と清算の2つが主軸です。

 

解散

卸売業の解散は完全な事業終了を意味します。

一般的な廃業はこのような意味合いとされます。

 

これを事業者が決心して清算まで進むと、会社は社会から完全に存在しなくなります。

ただし代表者以外に株主がいる場合は、総会を開き一定の同意を得て、法務局へ登記する必要があります。

 

これをクリアして初めて本格的に清算へ進めます。

 

清算

廃業が決定すれば清算へ進みます。

会社に残された資産を余さず整理することで事業終了が成立します。

 

ここまでクリアしない限りは休眠会社扱いとなり、維持費などのコストがかさみ続けるので注意しましょう。

清算人という役割がありますが、これは取締役が担うのがほとんどです。

 

主に会社の代表が残された債務を消化していきながら、債券の取り立てを進めます。

 

卸売業の廃業手続きの流れ

卸売業を廃業するなら、必要な手続きを確認し、1つずつクリアしていかなければなりません。

大まかな流れは以下の7つです。

 

廃業スケジュールを決めよう

廃業は開業よりも作業の密度と時間を要するケースもあるため、スケジュール設定は重要です

。これが綿密に練られていないと廃業決定日を正しく設定したことにならず、当日までに手続きが完了しないなどのトラブルが起きる可能性があります。

 

一般的に法人の場合は決心してから2~3ヵ月、個人事業所で卸売業をしているなら1ヵ月後が目安となります。

会社の状況をくまなくチェックして、設備整理や活動終了報告などを計画しましょう。

 

卸売業は従業員だけでなく、仕入れ先や販売先などコネクションがものをいうジャンルなので、揉めないように入念なプランや話し合いを要します。

 

株主がいれば承認が必要

法人で経営陣以外の株主がいれば株主総会を開き、2/3以上の賛成を要する特別決議か、全員の同意を必要とする書面決議を行いましょう。

これをクリアできなければ清算に入れないので要注意です。取締役が清算人になることも株主総会で話しておきましょう。

 

解散広告も忘れずに

廃業が決定すれば官報に解散公告を出す必要があります。

卸売業は特に提携事業が多いことが考えられるため忘れずに公表しましょう。

最低でも2ヶ月間告知キープしておき、仕入先や販売先の間で残された支払いを済ませられるよう働きかけましょう。

 

買掛金の支払いが必要

仕入れた商品を後払いするお金を買掛金と呼びますが、廃業決定時点でこれがまだ済んでいないケースもあるようです。

買掛金を支払わないまま廃業してしまうと、仕入先から詐欺などで訴えられかねないので、必ずクリアしておきましょう。

 

資金に余裕がなく買掛金を支払えない場合は、仕入先と話し合い解決方法を探る必要があります。

 

倉庫など備品の処分

卸売業でよく使うのは倉庫であり、リース契約なら解除手続き、自社保有なら売却を要します。

ただし倉庫は広義の不動産にあたるため、売却が決まると卸売業の断念が決定的になります。

 

倉庫処分は在庫を全て処分し終わり、廃業決定日となるべく近いタイミングで買い取りが決まるよう計画しましょう。

 

解散確定申告と清算確定申告

廃業を済ませるには解散と清算の2度の確定申告をクリアしましょう。

解散確定申告は当該年度の初日から廃業日までを対象にしており、基本的な手順は従来の確定申告と類似しています。

 

清算確定申告は全ての残務処理をクリアして残ったお金がプラスかマイナスか正式に決まった後で行います。

以上が済んだら法務局に清算決了登記を忘れずに行いましょう。

 

労働保険支払いをストップさせる

廃業確定から50日以内に確定保険料申告書を提出する必要があります。

卸売業も労働保険の支払いが義務付けられており、申告書を出さないといつまでも余計な保険料を支払う羽目になるので、必ず手続きでストップをかけましょう。

 

ここまでクリアしたら、取締役は役目を終えます。

 

個人事業主として卸売業をしていた場合の廃業手続き

個人事業主としての卸売業もあります。

その場合も仕入先や取引先など、サポートしてくれた人々のコネクションがあるので、勝手に事業を終わらせたりしてはいけません。

 

廃業の計画が決定したら、お世話になった人に一通り廃業を報告し、反対意見があれば話し合いを重ねる必要があります。

もちろん買掛金などの債務返済や債権取り立てもクリアしなければなりません。

 

個人事業の場合は様々な書類を税務署に提出します。

開業・廃業等届出書から始まり、都道府県税事務所には個人事業廃業届出書を出します。

 

確定申告が青色であれば所得税申告の取りやめを求める届出書、消費税を支払っていたなら事業廃止届出書を出しましょう。

納税を控えているなら減額申請書、従業員がいれば給与支払事務所等の廃止届も出さなければなりません。

 

このように必要な書類をチェックしながら、不備がないように手続きを進めましょう。

 

まとめ

卸売業はコネクション商売でもあります。

廃業が決まったら取引先や仕入先を始め、協力してくれた事業者にひととおり報告し、反対意見が出れば納得してもらえるよう話し合いを重ねる必要もあります。

 

在庫を治めていた倉庫を売るタイミングなども配慮しつつ、最後の確定申告までトラブルなく事業終了までの手続きを進めましょう。

 

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