事業承継がうまくいかない原因とは?失敗事例集から学ぼう!

事業承継がうまくいかない原因とは?失敗事例集から学ぼう!

事業承継の基礎知識

事業承継がうまくいかない原因とは?失敗事例集から学ぼう!

今まで事業承継の難しさを見てきましたが、今回は実際にあった失敗例を通し、具体的にはどうすべきであったかなどを検討しておきたいと思います。

その多くは準備不足から発生しているものです。

また対象が中小企業では、やはり親族内承継に関わる失敗が多いです。

これから事業承継を考えている方には、成功例よりも失敗例の方が役に立つのではないでしょうか。

 

【失敗例1】親族内承継の早期取り組みに遅れたAさん

小さな企業を経営しているAさん。会社が軌道に乗り出したのが50代ということもあり、事業承継を具体的に考える間もなく60代に。

後を継がそうと思っていた長男はすでに就職しており、これといった後継話をしないまま時が過ぎていった。

 

体力も落ちてきたこの頃、長男に親族内承継をようやく打診したが、あっさり断られてしまった。

今までAさんから事業承継の話が出ておらず、本人はとっくに諦めていたのだ。

関連:事業承継の後継者の選び方とは?跡継ぎとして息子などの親族、役員・従業員に承継した場合を検証。

 

それに子供もできたので、今は安定しているサラリーマンを辞めたくないと言われてしまった。

今から社内で探すにしても、実力のある者はAさんと同年代だから、承継しても数年で引退になるので意味がない。

それに社内で経営ができるような人材も育成してこなかった。今も承継問題は解決していない。

 

<原因と対策>

少人数の小さな企業では親族内承継が多いですが、「家族だから継いでくれるだろう」と思うのは甘えです。

また意志の疎通がうまくいっていないと、思い違いも起きます。

関連: 親族内の跡継ぎや従業員への事業承継の手続きと注意点についてわかりやすく解説!

 

また後継者がすぐに事業を引き継げるわけではなく、会社の規模に応じての育成期間も必要です。

少なくとも自分が50代に入ったら準備を始め、遅くとも息子や娘が成人するまでには将来の話をしておくべきでしょう。

 

それにより子供の進路も決まり、他社に就職するにしても「将来的には自分が経営する」という選択肢があれば、

心構えも違ってきます。親族内承継でも、早期の取り組みが必要なのです。

 

【失敗例2】事業理念が食い違い、うまく家族内承継できなかったBさん

Bさんは老舗のお菓子会社を経営している。親の代からの伝統の味だが、最近の売り上げは前ほどではなくなり、従業員もBさん同様高年齢化が進んでいる。

後継者の予定の長男は別のお菓子メーカーで修業し、機会を見て自社に社長候補として入社させた。

これで安心して引退できるかと思ったが、次第に商品開発、販売方針などもろもろで対立するようになった。

 

Bさんは地元ではネームバリューのある基本商品を大事にしてきたが、息子はそうでもないらしい。

また、「顔の見える販売」を大事にしていきたBさんは、長男が提唱するインターネットを使う展開も理解できない。

対立が続き、次第に長男はやる気を無くして退社。ゴタゴタにより、会社の業績も少しずつ落ちてきている。

 

<原因と対策>

Bさんは事業承継について早くから手を打っており、後継者である息子さんもそのつもりでしたが、

「どのようなものを作り出していくか」「どのように販売展開するか」といった点については、腹を割って本音で話し合うことがなかったようです。

 

事業承継には物理的なものだけでなく、その「理念」も含まれています。Bさんは長年経営者として成功してきた自負もあり、まだ経験が少ない長男がしたいことを認められません。

本当は理念も含めて後継者教育をしていく期間が必要なのですが、社内教育の時間が少なかったことや、家族という甘えから、理念を突き詰めることもなかったのです。

お互い目指しているものが違うと、いくら家族とはいえうまくいきません。理念の擦り合わせをきちんとせずに、実質的な部分を先に進め過ぎてしまったのです。

 

【失敗例3】経営能力がない人に、事業承継してしまった

Cさんは従業員が40人程度の中規模の会社の経営者。

事業は一代で築いたので、まあまあうまくいっている方だと思っている。

50代後半になり、後継者選びを始めたが大いに迷ってしまった。

 

未知数の長男を親族内承継させるか、優秀な従業員を親族外承継させるかだ。

まだ若く社会経験が少ない長男より、新卒で入って管理職までなった従業員の方が会社のことをよくわかっているし、何よりも社内での信望も厚い。

 

しかし「将来性」という言葉に自分を納得させ、自分の息子を後継者にしてしまった。

案の定、息子は失敗を繰り返し、顧客や取引先に不安を与えたばかりか、その影響で社員の士気も下がってしまった。

 

<原因と対策>

人間誰しも、経営能力があるわけではありません。

しかし、従業員を預かる会社の経営者に経営能力がないと、多くの人に迷惑をかけることになってしまいます。

 

親族内承継では、「家族」というフィルターがかかって甘くなりすぎたり厳しくなりすぎたり、冷静な判断ができないことがあります。

それに気づいたら、第三者に相談してみるのも方法です。

 

また経営者になるには自発的な覚悟が必要で、「親の希望で」や「社長の肩書きが欲しい」のような理由で経営者になると失敗します。

会社経営には苦しい局面が必ずあるからです。経営能力の資質の見極めは、慎重にするべきでしょう。

 

【失敗例4】複数の相続人に株式を分散して失敗

会社経営者のDさんには長男と次男の子供2人がおり、会社の後継者には長男が引き継ぐことを予定していた。

 

しかしある日、Dさんが急死してしまう。

遺言書が作成されていなかったので、長男が事業用資産をDさんの配偶者と共に引き継ぐ案を次男に提示したが、次男は拒否。

 

法廷割合の財産を要求し、会社の株式のほか、会社が使用していた個人資産の土地、貸付金債権の一部も手に入れた。

次男は会社経営には興味がなく、現在は売却をちらつかせてたりして、経営者となった長男に株の買い取りや債券の支払いを要求。

会社経営に大きな負担を強いているのが現状だ。

関連: 事業承継方法の一つ「遺贈」による相続の方法について徹底解説!
関連:【遺留分減殺請求権とは?】改正法を含めてわかりやすく解説!「民法の特例」を用いて対策しよう。

 

<原因と対策>

会社経営に協力的でない者にも財産が分配されてしまうことは、大きな問題です。

中小企業の経営者は個人保証の問題もあり、自分の資産と会社の資産は一蓮托生と考えがちですが、

会社経営に協力でない人も財産を相続することがあります。

 

兄弟親族でもその関係は、お金が絡むとなかなか難しいものです。

この場合、被相続人が遺言書を作成すれば、次男の権利を法定相続分の半分の遺留分まで下げることはできました。

 

また、急死がなければ、徐々に株などを長男に引き継がせることができたでしょう。

しかし人間、どこでどうなるかはわかりません。そうなってからでは遅いので、早期の取り組みが大事なのです。

 

【失敗例5】親族外承継

中規模の会社経営をしているEさん。

一人息子がいますが、息子が医学部に合格したことで親族内承継は諦めました。

 

幸い社内で適任を見つけることができ、相談したところ、本人も乗り気でした。

しかし問題が生じます。まずEさんの持株を後継者に買い取ってもらうには、かなりの金額が必要になります。

→ 跡継ぎ不在による後継者不足を解決!従業員に事業承継するメリット・デメリットとは?

 

また会社には金融機関の借入金もあり、Eさんが家や土地を担保に個人保証をしていましたが、

それを引き継ぐには資産家ではない後継者には荷が重すぎます。

結局、辞退されてしまいました。今も後継者はまだ見つかっていません。

 

<原因と対策>

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」*1*2にもありますが、まずは引き継ぎの前に金融機関から担保の提供を求められないような、会社の磨き上げが必要です。

そして不採算部門があれば、承継前に整理しましょう。

会社自体の負債を減らせば経営者個人の負担も減り、後継者が承継しやすくなります。

 

 

株式の譲渡についてですが、後継者に自社株を買い取る資金力がないことは中小企業ではよくあります。

また贈与の場合も相当の税がかかります。

ただし親族外承継の負担を軽くするための支援制度、金融機関を活用したMBO、日本政策金融公庫による融資などの対策もあるので、十分検討してから判断するのがいいでしょう*3

 

まとめ

そもそも事業承継は、大半の人にとっては一生に1回のもの。

慣れている人の方が少ないのです。とはいえ失敗も絶対にできません。「失敗例」を先に知っておき、早期に問題に取り組んでいけば、それを回避する方法も生まれるでしょう。

不安定要素は、承継前に取り除いておくことが肝心です。

 

*1「事業承継ガイドライン」中小企業庁PDF 平成28年12月

*2「事業承継ガイドライン 20問20答」中小企業庁

*3 「従業員承継~株式買取資金不足時の問題点~」税理士法人 山田&パートナーズ

 

<参考文献、参考サイト>

「中小企業白書」中小企業庁2018年版

「経営者のための事業承継マニュアル」中小企業庁PDF

 

 

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